5話・魔女アイズピスト
魔物と相対した、アネリアは、竜人族というのを隠しながらの戦いができなかった。だから、弱者。
竜人族の剣しか持っていないのならば、
剣を使って戦えない。竜人族とバレてしまうから。魔法しか使えない。
だから、竜人族に向いていない、水魔法をいつも使っているのだ。だが―
「私も、頑張らないといけないもん…ね」
アネリアは魔物にゆっくりと近づく。
水魔法の水を凍らせ、氷の鋭い刃を生み出す。
そして上空に氷の刃を作った後、魔物を指差した。
その魔物に向かって、氷の刃が向かう。
血を反射して魔物がパリッと音を立てて、
破裂して、肉片を撒き散らし、生き絶えた魔物を見据えて、アネリアは笑った。
「竜人族かぁ、まだ、生きてたのか。
あの時潰れたと思ったんだけど、
最強格の種族の一角、竜人族の生き残り」
その声がする方へ、目を見開いてアネリアは向いた。それを聞いていた学園の生徒達は、
アネリアに視線が集中する。
学園の、2年もアネリアを見ている。
三年は、試練に向かっているが、戻って来た、
少数人も学園庭にいるアネリアを見ている。
「お前は、一体…」
アネリアは青ざめた顔で声のする方へ見た。
「アイズピスト」
声の正体はアイズピストという名前で、
水色の長い髪を優雅に流して、
切れ長な金色の瞳、紫色のタイトな服を着た女だった。
「アイズピストぉ!!」
怒りに満ちた顔で、アネリアは直径10メートル以上の大きさを誇る、氷刃をアイズピストにぶつける。
「怖いですわ」
アイズピストは氷刃を刻み切る。
「なっ…」
「ポイズン」
アイズピスト毒針を1000本以上、
アネリアに投げる。
「グラトニーウォーターぁ!」
毒針は巨大な水に飲み込まれる。
だが、全てを防ぎきれず、10数本、アネリアに刺さった。
「いっ…た」
刺さった箇所が紫色に変化する。
「フレアッ!」
杖を構えた状態のフーアがアイズピストとアネリアの間に入る。炎がアイズピストを包み込む。
「アネリアっ!」
アネリアの無事を心配する、フーアがエリーナを大声で呼ぶ。
「少し待って!今すぐ行きたいのに、
この魔物がッッッ!」
エリーナが魔物15体を相手している。
「私は大丈夫」
竜人族の特徴、少し経った今、毒で紫になった皮は元の肌色に戻っている。
「なんで治ってるの?」
「治癒魔法使えてね」
咄嗟に嘘をついた。竜人族とバレたくないからだ。
だが、少し、毒が体に回り、視界がグラグラと揺れる。
「ワタクシを置いて話をするなど…」
アイズピストがフーアに向かって走り出し
手の平から毒玉が作り出され、フーアにぶつけられそうになったその時、
「俺は、弱者じゃないと思うんだがな」
短剣を右手に構え、左手に長剣を持ち、構えた
美麗な顔立ちの男…カイビスがアイズピストの左腕の皮を削ぎ落とす。
「お前は、魔女…アイズピスト」
「正解よ」
カイビスの問いにアイズピストは微笑みながら答える。
「さあ、殺し合いの時間ですわ」
長い毒針を持って、口角を上げた、
アイズピストとアネリア、フーア、カイビスが相対した。
魔女アイズピストが襲来!?
学長は関係しているのか、それとも…
次話も投稿するので、良ければ見に来てください!