3話・弱者の正体
少し更新遅れましたが
3話目です。
アネリアの明かされる正体。
物語が本格的に動き始める、3話
楽しんで下さい!
「ね、また、私、足引っ張りそう、平気?」
アネリアは寮の『月闇』寮の一室で夕飯を作っている、エリーナとカイビスに言った。
「大丈夫、俺らが守ってやるからさ」
「そうよ、私たちに任せて、それに
魔法も段々使えるようになってきたじゃない?」
カイビスとエリーナのその言葉に、アネリアは
涙目になって、
「私、頑張るもん」
「そうね、頑張って」
エリーナがアネリアの頭をそっと撫でる。
「ほら、出来たから、フーアとクライムを
呼んできて」
そっと、エリーナはアネリアは背中を押した。
「うん!」
笑顔で、そう応じたアネリアは、
チーム『月闇』の寮の部屋は05室に存在した。
そのとても広い寮の05室は
六部屋で分かれていた。
男子部屋、女子部屋、ダイニング、キッチン、
洗面所、お手洗い、浴室となっていた。
「ね、クライム、フーア、ご飯!」
廊下で大声で言った。
2人が部屋から出てきた。
ーー◇ーー◇ーー◇ーー◇ーー◇ーー
「あのさ!私は今日これを作ったのー!」
ダイニングテーブルで座る4人に向かって、
大きな皿をテーブルに置く。
「うっ、ひでえ」
カイビスがそう言った後、アネリアが、
「殺す!」
「お前に俺を殺せる訳ねーだろ!」
「はぁ!?」
アネリアはポコポコと、カイビスを殴る。
「そんなんで殺すなんて言う、なぁ!」
カイビスは滑らせて、アネリアは、
カイビスに押し倒される形となった。
「んっ…」
顔を赤らめて、アネリアはカイビスから視線をそらす。
「あっ、なんか、ごめん」
「別にいーし!ほらご飯」
急いで、フーアの隣に座って、
アネリアはいただきます!と言ってご飯を食べた。
「人前でよくいちゃつける…」
フーアがぼそっと言った。
「いちゃってない!」
アネリアは自分が作った料理を食べる。
「まっず!!」
アネリアはお茶で飲み込んだ。
「じゃ、今日も俺が全部食べるよ」
カイビスがアネリアが作ったご飯を食べた。
「よくそんな不味いのを」
アネリアが口を手で抑える。
「別に食べれるものだし」
「そんな事ばっか言って…」
アネリアがエリーナの作った、野菜と、肉の炒め物に手を出した。
「やっぱ、エリーナの作ったのは美味しいっ」
アネリアは笑顔でご飯を進める。
ーー◇ーー◇ーー◇ーー◇ーー◇ーー
「ごっちそうさま!」
キッチンに食べた後の皿を置く。
「あとは僕がやっておくよ」
クライムが洗い物をする。
「フーアもやる」
クライムの横に並んだフーア。
「私は風呂洗ってるね」
「あー頼んだ」
カイビスがアネリアの横で言った。
「はいはい」
アネリアがそう言った。
ーー◇ーー◇ーー◇ーー◇ーー◇ーー
―そうして全ての準備を終えて
「おやすみなさい」
カイビスとクライムに向かって、
エリーナがそっと笑った。
「明日は早いからね、おやすみ」
クライムとカイビスが部屋に入った。
「フーア達も寝る」
女子部屋に入った。
「そうね」
エリーナとアネリアも部屋に入る
ーー◇ーー◇ーー◇ーー◇ーー◇ーー
「2人とももう寝たか」
部屋の窓からアネリアはつぶやいた後出た。
「はあ、今日も悪魔狩りか」
ため息をついて、アネリアは寮の外に出て、
悪魔がいる地へ、向かった。
「悪魔狩り」
そう呟き、アネリアは羽織ものを羽織り、
フードをかぶって正体を隠す。
足音がカツカツ鳴らし、アネリアは
悪魔の地『グーデター大森林』に向かった。
この今度のテストの場。
皆が嫌がって、死に不安を抱いたのは悪魔の地だから。かつてこの大森林は1万人の死者を出した、別名、呪いの地と呼ばれていた。
「死ね」
アネリアは低い声の調子で、悪魔の首を斬る。
額に2本の角を出し、いつものくりっとした
目から、切れ長な目に変わった。
目の色も鋭く金に光らせ、羽を生やした。
「竜人族の唯一の、生き残り」
ぼそっとまた呟き、剣を構え、
悪魔の首を斬り落とす。
「『雪氷』や、『夜風』が死ぬのは
別にいいけど、エリーナ達が死ぬのは
絶対ヤだからね」
その理由も胸にして、悪魔を狩る。
「お前は竜人族…」
悪魔がガラガラな声で言った。
「そうだけど、悪魔みたいな汚い悪魔族に
気高い竜人族の名を口にするな」
剣に紫の覇気を纏わせ、悪魔の首を切る。
「さようなら」
その言葉だけを小さく言って、悪魔の首を連続して切る。
「はあ、朝になる」
アネリアは寮に戻る。
角をしまい、羽もしまい、目を光らせていたのもやめた。
「正体がバレるのはヤダし。
でも、あれは私の正体は知ってるか?」
ぼそぼそと言った。
アネリアの言った、あれとは
勇者学園の学長だった。
「でも、竜人族が弱いとは思わないから
大丈夫でしょ。私は正体を隠しながら
やらないといけない事があるからね」
寮の部屋に戻り、アネリアは
「おはよう…」
寝てるエリーナとフーアに笑いかけた。
3話目でした。
どうでしたか?
学園のアネリアと、夜の竜人アネリアが全く違うので、驚いた方も多いはず。
物語が本格的に動き始めるので、
次話も楽しみにしていただけると嬉しいです。