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黒い兎の冒険譚 勇者の存在しない…この世界で…  作者: 黒うさモフル
第四章 決戦
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第一次攻撃

見上げる空は視界が見えなくなるような黒煙で遮られ、幾つもの爆発音が大気を何度も震わせる…


破壊の魔獣(ジャガーノート)に対しての長距離による先制攻撃である…



偵察隊の持ちかえった情報を元にゲート内部に長射程の魔導カノンを持ち込み360度の包囲陣を敷く、この作戦を行うにあたって足の速い騎獣を用いて数十回の武力偵察を行った…


どこ迄の事を行えば破壊の魔獣(ジャガーノート)は迎撃行動に出るのかを地上から空中からと数日出来る時間で確かめたのだ…


現在は破壊の魔獣の迎撃行動範囲外であり、号令ひとつで攻撃が出来る状態である…


司令官はライル・オルティス次期国王。

ここで明確な戦果をあげる事で、国王の座を揺るぎない物とするのが彼の狙いである。


伝令兵がすべての包囲が完成したことを告げるとテントを退出する。


「うむ、諸公よ攻撃を開始する!」


ライルが国王の剣を高く掲げると号令だす…



「勝利は人類に!打てっ!」




破壊の魔獣(ジャガーノート)を中心に360度、射程距離にして10kmの地点に魔導カノン36機を配置し仰角38度、直径220㎜ミスリル砲弾【雷撃】を打ち出す。


雷のような音が響き渡ると数十秒で着弾する…同時に発射音の数倍の爆発音が響き渡り地響きを轟かせる…


目視でも確認できるぐらいの黒煙が立ち上がり効果が期待出来たように誰もが思った…


観測兵が答える…

「………目標を確認…健在ですっ………」



砲撃部隊長が指示だす


「次弾放てっ!」



36機の魔導カノンから時間差で次弾が各々に発射される…



「目標がブレスを展開しようとしてます!20秒予測で反撃きます!」


観測兵が声を上げる…


「防御壁へ避難!防御障壁魔法いそげ!鎧騎士(アーマーナイト)前に出ろ!」

魔導具による防御障壁魔法が展開し重装甲に大盾を持った騎士が前で防御態勢をとる。


破壊の魔獣(ジャガーノート)の竜のようで虫のような顔が顎を大きく開くと、光が収束され白光の直線ブレス吐く。

空中でゆっくり回転してゆくと約6000℃の超高温が360度薙ぎ払ってゆく…


「殿下伏せて下さい…」

ライルの前で魔法の盾(マジックシールド)を構えた護衛、熊人種モンドが魔力を最大限に盾に流し強度をあげる。


ライルがモンドに話しかける…

伏せずに話しかけるのは、彼の実力に信頼を寄せているからだ…


「モンドよ、やはりゲート内では無理ではないだろうか…?」


「ゲートの中で仕留めるのが最善手ではありましたが、些か破壊の魔獣が強すぎましたな…ゲートの中では守護者(キーパー)達が戦えないのが、やはりネックです…あの者達は超越しておりますからな……

さあ、来ますぞ!殿下しばしのご辛抱を!」


「フンッ、まったくもって面白く無いわ…」


ライルが独り呟いた…



周囲に轟く轟音が、長い時間なりやまないでいた…

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