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黒い兎の冒険譚 勇者の存在しない…この世界で…  作者: 黒うさモフル
第四章 決戦
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主要国首脳会議

強い風が城中央の大塔(タワーキープ)を吹き抜ける…


空向こう、雲の切れ間から数隻の飛空船や飛空艦が姿を表す…


既に各国首脳陣にはどこの領地へ停泊させるのか指示を通達している…


これといった問題は無いだろう…


陸路でこれぬ程に時間が切迫していると聞くが…


送った偵察隊は十分ではないが報告に挙げれるレベルの情報を持ちかえったと、聞いている…


今回の緊急主要首脳国会議(サミット)がほんとに主要国だけで決めて良いのか疑問だ…


賢者曰くデリケートな案件が多く尚且つ、即断を要するため致し方無いとのことだ…


ふっ……(まつりごと)を行う身にもなってほしいものだ…


ライル・オルティスが呟くと大塔内部へと戻ってゆく…


王国、中立都市、魔王国が口添えを合わせれば良いだけの事である…何を今さら話し合うというのか…


要は主要首脳国会議を行った事実のみが重要なのだ…


一種の喜劇ではないか…


文官の一人が報告を挙げる。

「殿下準備は出来ております、国王陛下は全てライル殿下に任せるとのことです」


父よ考えた末、私に任せるだと…ならば王位を譲られよ…


「わかった、準備は出来ている聖女殿は到着しているか?」






         ・






「諸公の方々、遠路ご苦労であるライル・オルティス次期国王である国王ゲイル・オルティスが病に伏せているため私が代行する…意義を唱える諸公はいるか?問題が無ければ今回の議題に移るが宜しいか…」


「うむ、まず皆には知って貰いたいことがある…小規模から大規模を含めた魔物の大量発生(アウトブレイク)である…まずこれは、各国に存在している魔力貯り…竜穴を狙ったものだ…確認出来ている敵は古竜…

古竜は竜穴の地点変更を試みているため、現在の竜穴を一度無に戻す為に動いている。

これは賢者の見解だ…


率直に言おう古竜曰く、世界の魔力が尽きてきている…

古竜は、新たな門の魔物を解放し人類を滅ぼそうというのだ…」



国王代理ライルが話し終わるとプルメリアが話し出す。



「魔王国女王プルメリアである、そこでまず驚異を取り払わなければなりません…各国には軍を動かして頂く…」


「そのまま門の中に封じ込めとけば良いのでわないのか?」

何処かの王が声をあげる。


プルメリアが指先に魔力を灯すと新たな門の魔物の映像が映し出される。


ライルが口を挟む。

「先日、王国の偵察部隊を門内部へ送り込んで撮影させた、映像だ」



プルメリアが続ける。

「うむ、妾から見てもこれは今迄にない驚異を感じる、竜の様であるが竜でなく、虫の様で虫でなく、映像から推測できる体長は約200m、この世界で観測された巨大魔獣(ランページモンスター)を遥かに越える巨大さだ…」



聖女が見解を述べる…

「古代に創造された合成生物(キメラ)にも思えますが古き文献を調べた結果、幾つかの文明を破壊した…

破壊の魔獣(ジャガーノート)であろうと思われます。」




映像に映る魔獣に集まった諸公らが息を飲み、落胆から消沈へと変わっていく…




「門を閉ざしても、いずれは自ら出てくるであろう…竜人曰く、世界の魔力の枯渇まであと10年だ、それまでに破壊の魔獣(ジャガーノート)の討伐と星の魔力を取り戻さなければならない、この2つは絶対条件である、協力を拒む国は妾は敵と見なすぞ…」


プルメリアが低い声で話し終わる。






続けて賢者が星の魔力について答える…


「星の魔力についてですが、簡単に言うと魔力が、枯渇してしまうと生物、植物も育たない死の星へと変わり果てます早急に、星の魔力を回復させねば成りません、まず世界規模の魔方陣の製造…それだけではまだ不十分なので、我々が守護する4つの門を解放し異世界の竜脈、竜穴と接続する事で足りない回復力を補います…」











この日をもって世界に安定が崩れたことが知れ渡った…





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