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黒い兎の冒険譚 勇者の存在しない…この世界で…  作者: 黒うさモフル
第四章 決戦
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五つ目の門

眼下に見下ろす湖面は、昨夜の大雨が無かったかのように落ち着いている…


遠くに見えていた孤島が徐々に大きくなっていき、これから行う任務に自分の不幸を呪ってしまう…


「王国まで、こんなもんを持ち出しやがって、いったい何がおこってるんだ…」


飛行船から孤島を見下ろし1人呟く…


「ですよねーどおしてあたしまで、いかなきゃならないんですかー!あたし非戦闘員ですよー」


隣の方で同じく孤島を見下ろす有翼の女の子が嘆いている…




「はぁ…」


猫人種のシャミィが溜め息を吐く…

大使館に任務終了の報告を入れたのが不味かった…

まさか、次の任務が重要任務で急ぎであるとは…


「はぁ…」


横でも似たように溜め息をつく人がいる…


任務内容は新たに出現した(ゲート)の先行偵察だ、現地に偵察部隊を送るので共に赴け、なお、お前の任務は賢者の助手である観測員の護衛だ、死んでも守りぬけとのことだ…

現地には偵察部隊4名、賢者の助手1名とあたしの6名だ…



「そろそろ、降下ポイントです席に戻ってください」


飛行船の乗組員が話し掛けてくる…



「了解した、もうそんな時間か…」



「はーい」


徐々に降下していき開いた場所に着陸すると、拠点設営の部隊が展開していく。

下船の準備をしていると偵察部隊の隊長が話し掛けてきた、いかにも老紳士だ…




「ネム殿、シャミィ殿、よろしいですか?まずゲートをネム殿が賢者様の魔道具を用いて開けます時間にして数十秒です、突入後警戒を払いつつ、驚異となる巨大魔獣の情報収集を行います…発見しだい撮影と数値観測を行います」



「わかりましたよ、やりますよ…」




草木生い茂る森に(ゲート)発見した




「ネム殿頼みましたよ」



「はぁ…わかりました…あれ、どれだっ…あったあった…」


あたしよりヤバそうだ…


「ネムさん大丈夫?少し休んでからでもいいと思うよ」


「大丈夫ですよ…ではやりますよー太古より閉ざされし、(いにしえ)の門よ我が魔力を糧とし忘れ去られし扉を開け…」


ネムがリュックから取り出した腕輪を身につけ解錠呪文を詠唱すると扉が、人ひとりぶん開く…


「さあ、行きますぞ!」


隊長と隊員が突入しシャミィとネムが後を続き入り終ると扉が閉まる…










夕焼けのようで…そうじゃない空…


見渡す限りの荒野に冷や汗をかく…


「なんだ、ここ…」


部隊の二人が砂や石を採取し、ネムさんが(ゲート)に魔道具を設置し起動さしている、ネム曰く帰還時の目印だそうだ…



「ネム殿反応は?」


隊長がネムに訪ねるとネムがポケットから方位磁石(コンパス)をとりだす。



「うーん、ここを基準として北ですかね…なにかしらの魔力が観測されます…はぁ」



「周囲の注意を怠るな!隠密行動だ、足音すら立てるなよ!」


隊の二人が先行し、二人のハンドサインを確認しつつ隊長、シャミィ、ネム、隊員と続く。


北に進むこと、2時間…


巨大な窪みの中にそいつはいた…


限り無く巨大…爬虫類なのか?虫なのか?

竜のような鱗のからだに所々、虫のような外骨格…左右非対称の体は、この世の至る生物に該当しない…


全員の心臓の鼓動が早くなる…


生物的本能が危険信号を察知しているのだ…


「ネム殿お願いします…」


隊長が聞こえるか聞こえないほどの声で指示をだすと、ネムが頷く。


ネムが魔道具をリュックから取り出し魔力を流す…


ネムさんを見るとかなりの集中力だとおもう絶妙な魔力操作で小型の飛行オーブを5つ浮遊させるとオーブが消える…



「賢者の魔道具か?大丈夫か?」


ネムに回復ポーションを渡すと、ネムがひと飲みし深呼吸する。


ネムがクリスタルの魔導端末を地面におくと

リュックから転移スクロールを取り出す…


魔導端末の表示に撮影解析の進行具合が表示されていく…




…………………17%




……………………………34%




…………………………………62%



……………………

………………





………………………errorcode.no01






「…………うそっ!やばいっ!」


ネムが青ざめた顔で声をあげ両手で口を覆う。


「ん、エラーコード01?ネムさんこれは?」


シャミィがネムに聞く、隊長隊員の視線がネムに集まる…


「エラーコード01はオーブの消滅…気付かれました…!」














周囲の空気の質が大きく変わる…




キゥキィィ-



耳を突き刺す咆哮をだすと…巨大な異形の魔獣が竜と虫の翼と羽を広げ空高く舞い上がる…


それは、まるで悪夢を見ているようだった…

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