種と色
馬車の揺れで、目が覚めた…
集落の襲撃から3日が過ぎ、森から街道に出た僕達は、運良く旅の行商人に賃金を払い馬車に乗せて貰う事が出来た。
あんな事件があったので、こんなところを往き来する商人と出会えたのは幸運といっていいのか?
「比較的道が荒れているな、揺れは大丈夫か?お前達、兎人種は三半規管が優れているからな大丈夫なはずだ」
そんなこと気にしたこともなかったな、知らない事がたくさんある…
「今日は種族について話そうか、この世界は、獣人種、人種、魔人種、亜人種が存在するよ、お前達は獣人種の兎人種だな」
シアさんは水袋の水を一口飲むと続けて語る
「お前達を含め、この世界で一番多いのが獣人種だな、いろんな獣人種がいて、さまざま力や特長をもっているよ、例えばお前達兎人種は、耳が良かったり、跳躍力が高かったりするな、あと敏捷性に長けているな、逆に体力がなかったり、落ち込みやすい性格だったり、うーんこれは個人によるな」
シアさんは短剣を手入れしながら続けて話す
「獣人種は、体毛の色によっても強さが変わってくる、普通色、金属色、宝石色だ、お前達も、もしかしたら宝石色かも知れないな?調べてみないとわからないが……
さて、少し行ってくるか……
ウルマもしもの時これでオニキスを守ってやれ!」
シアさんがウルマに短剣を渡し、馬車が速度を上げるなか、外に飛び出していった…
鞘から魔力を帯びた剣を抜き出し白い魔獣に走りだす…
「やはり来たか……だがここで終わらしてもらうぞっ……!」