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黒い兎の冒険譚 勇者の存在しない…この世界で…  作者: 黒うさモフル
第四章 決戦
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里の記録

冬空の中、太陽の熱を浴びてようやく生きた心地になる…


昨日まで降っていた雨が止むと同じく航海を終えれたことは僥倖だったと言える。


鉱山最寄りの小さな港街までの航路は強い雨を除けば順調だったといえ、ここからが大変なのである。


冬に山間部へと続く道を進むのだ、雪深くなっていたら、移動日数が増えてしまうかも知れない…


ただ、航海中に雨が降っていた…雪では無かったので、まだまだ気温的には余裕が有るのかもしれないな…



四頭の馬が街道から別れた山道を進む。


帆船に馬車を乗せる余裕が無かった為、馬に騎乗しての移動だ、二頭の軍馬にはシアさんとプラムだ騎乗しての戦闘に慣れているからだ…


残る二頭に、僕とウルマ、ユアンナちゃんとモルちゃんで騎乗している。


日がだいぶ高くなってきたな、この調子だと夕方には宿場町迄たどり着けそうだ…




問題無く宿場町に到着した、手頃な宿を見つけ明日に備える…



コンッコンッ


扉を部屋の扉を開けるとモルちゃんがいた。


「皆に見せたいものがある…」



全員がモルちゃんの部屋に集まると、モルちゃんがバッグからクリスタルのプレートのようなもの取り出す…


「これは、集落の避難所内の隠し部屋で手にいれたものだ…」


モルちゃんが、プレートに魔力を流すと、映像が浮かびあがる…



数人の兎人種と、大怪我を負っている女性だ…



ウルマが気付く…

「長…の若いとき………?」



さらに、プラムが…

「この大怪我の女性なのですが、この人の持っている槍が私の槍に良くにているのですよ…」


「避難所は深海の森だろ…以前の槍の持ち主が深海の森で力尽きていると、迷宮の不思議な女性が言っていたっけ…」



「迷宮の不思議な女性?」

ユアンナが不思議そうに呟いた…


洞窟の出来事を皆に話す…



モルちゃんが思い出したように話す…

「そう言えば…ギルドに湖を歩く女性を目撃したという情報があった…その女性がこの時代の人間じゃないとしたら、何に対して呼び起こされる事となったんだ?そんなの絶対に意味が有るわけじゃないか?」



「僕とプラムが迷宮を走破したときの、攻略時間を話してたっけ?それが呼び起こすきっかけだったんだと思う…」



「ふむ…」


ウルマが映像を見ながら話す

「なんか、渡してるよ?宝石…」


大怪我の女性が宝石を長に、渡してしている…


「謎だらけだな…」



この大怪我の女性は恐らく、プラムの前の代の人だろう…


里と何か関係あったのは、間違いない…


映像はそこで終わっている…


自分の部屋に戻ると色々考えてみたが、結局結論が出ないままであった…


明日は早くに町を出る…考えるのもほどほどにして瞼を閉じた…

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