トランプ
穏やかな湖面を切り分けるかのように帆船が進んで行く。
帆が風を無駄なく受けている証拠だ。
目的の鉱山まで帆船による海路で二日の航海、最も近い港から陸路で馬を使い三日の距離だ、シャミィさんと港で別れ、帆船に乗り込んだ。
出港するまで、シャミィさんが見送ってくれていた、そういえばシャミィさんから餞別をもらった。
カード?トランプ…あとメモが…
[…仲良くしろよ!]
「シャミィさんらしい…」
シアさんにシャミィさんについてどんな人なのか聞いたてみたら…
「うーん、一言でいえばナチュラルな天才かな」
と、いっていた…
一緒に旅をしてきた、ウルマ、モルちゃん、ユアンナちゃんにも聞いてみたら…
「判断がはやい…」
「おせっかい…」
「つよいと思う…」
が三人の感想だ…
強い突風が突き抜けるように、吹いてくる…
さっき迄天気の良かった空がいつの間にか雨雲に覆われてくる…
「帆をたためー!風が強いぞ!」
マストにいる見張りが叫ぶように声をあげた…
・
「むっ、こいっ!」
プラムがウルマからカードを引く…
「揃わないのですよ!」
サッ…
「よーし!」
ウルマが僕からカードを引いて揃えて場に捨てる。
「これかな…んっん、ちょっと、ユアンナさん…まあ、いいや…じゃこっちに…揃わないか…って」
「ほいっ!やったー!」
ユアンナちゃんがモルちゃんからカードを引いて揃えて場に捨てる。
スゥッ…
モルちゃんが目を細める…
「よっと…!」
モルちゃんがプラムからカードを引き抜くと揃える…
「むっー絶対、魔眼つかってるのですよ…ずるいですよー!」
「モルちゃん、魔眼禁止ね…」
「なんのことですかなっ…!!」
【宮廷道化師】
道化師を含む小アルカナの57枚のカードを
を人数で分け、右回りに引いていき、同じ数があれば場に捨てていき、最後まで宮廷道化師を所有していた人間が勝者である。
数字カードと王、女王、騎士、小姓のカードは財産であり、揃う度に無くなっていく…財産が無くなっても宮廷道化師がいれば愉快に生きていけるといった理由があると言われている。
結局、最後まで残ったのはウルマとユアンナちゃんだ、で最終決戦一騎討ちを制したのはユアンナちゃんだ…
「わたしのかちーぃ!」
「お前達ほどほどにな…そろそろ寝ろよ…」
シアさんが魔剣の手入れをしながら声を掛けてきた…
「みんな寝るよ―」
ユアンナちゃんが、勝者の威厳をだし皆に声をかける。
「おやすみー」
「「「おやすみなさい…」」」
船の揺れがだいぶマシになったな…
明日はきっと晴れるかもしれないな…
窓から空を見上げると綺麗に月が現れ、湖面を月明かりが照らしていた…




