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黒い兎の冒険譚 勇者の存在しない…この世界で…  作者: 黒うさモフル
第四章 決戦
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女王の船

目下に飛ぶ水鳥の群れは、渡り鳥だろうか…


そのうち南の地を目指すのか…


いや、もっと遠くまで楽園である温暖地まで飛び続けるんだろうな…


まさか…こんなものまで持ち出すことになろうとはな…


魔剣士と賢者め…妾の貸しは安くないぞ…










…飛空艦


もともと、軍事目的で無く対大型生物(ランページモンスター)用に戦時行動が認められている兵器である。


各国保有が認められているが戦争での軍事行動は国際条約で禁止されている。


なお移動時においても武装や魔導砲門等は完全に封印(シール)されていなければならない。


【魔王国旗艦クイーンオブウィッチ】

魔王国が統一したおりに建造された飛空艦であり、別名女王の船とも呼ばれている。


全長400m 幅32m 高さ16m 排水量41000t


2機の魔導機関を搭載したミスリルチタン合金装甲艦、流線形の黒塗りの船体と七芒星(セプタグラム)に剣を掲げた魔女のエンブレムが特徴的である。


45口径三連魔導砲 4門

20口径単走魔導砲 4門

魔導機銃 12門



魔王国が有する飛空艦壱番艦から七番艦までは白のカラーリングであるが、零番艦のみ黒いのは有事の際の行動を示しているからである。

各国の飛空艦とは一線を画す性能を有しており、古代技術と現存技術の融合を成功さしている。



「艦長、そろそろ中立都市か…」



「はっ、これから降下するところでございます」


「うむ、確か、商人組合(マーチャントギルド)職人組合(クラフターズギルド)の代表と会合であったな…」


「さようでございます、2日の滞在期間です、その後、王国王都にてサミットでございます」

側つきメイドが答える…



北の門に現れた古竜の真意が気になるのだ…

賢者から報告を受けておるが…確かめようがないではないか…


まずは国家の意思統一か…


馬鹿げておるな…そんなこと出来るわけ無かろうに…


まあ、出来ないことを成すのが妾の役目か…



フンッ



その後の問題だ…あの方法だと星の延命は出来よう…


しかし間違いなく遺恨を残すぞ…


ほんとに良いのか…?下手を打てば世界戦争に発展するぞ…


「陛下、降下に掛かります」


「わかりました気を抜かぬよう」


「はっ!旗持ち(フラッグマン)準備に掛かれ!最低高度まで下げたら行動開始せよ!陛下の御前だ恥を掻かせるなよ!」



「港管理局より連絡繋がりました!」

通信係が報告をあげる。

[魔王国艦船…3番ドックに入港されたし…]



艦の横を水鳥の群が羽ばたいて行く…



なかなかの港だな…


少し観光でもするか…



それくらい問題なかろう…忙がしくなることだしな…



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