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黒い兎の冒険譚 勇者の存在しない…この世界で…  作者: 黒うさモフル
第三章 冒険の旅に
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因縁を断ち切る剣

予測通りの移動をしているな…あと2分ほどで、人気のない路地に入る筈だ…


急に移動の速度が変わった。


「感づかれたかな…」


懐かしい黒髪が見えてきた、得物の魔剣…因縁を断ち切る剣(カットオブフェイト)を強く握り締め覚悟を決めて声を出す。


「ひさしぶりだね…オニキス」



驚いた顔は、少し前のウルマちゃんとそっくりだ流石、双子兄妹だな…



「モルちゃん!?」



「生き残れたよ…アンナちゃんも大丈夫だ…」



「集落はどうなったの?皆は?長や母様達は?」


「誰も居なかった…僕とアンナちゃんが隠れていた倉庫から出ると、皆いなくなっていた…何処かに落ち延びたのかと思ったが、わからない…さてと本気の手合わせ願おうか…!」



「ちょっと、モルちゃん!?」



オニキスが戸惑っているが、やらなきゃならない…相変わらずワンテンポ遅いな…


魔力を体に巡らせると身体強化する、アンナちゃんほどでは無いが、これくらいなら造作ないことだ…まずは抜き打ちだ、鞘から魔剣を居合い抜き、横切りを繰り出す!


「マジかっ!」


オニキスが、鞘から4分の1程魔剣の刀身を出し防ぐ…


本気で切り合わないと魔剣の力が発揮されない…心を抉ってでもその気にさせないといけない…自分が嫌になるよ、まったく…


「オニキス、君の力じゃ無駄に死ぬだけだウルマちゃんと王都で安全に生きろ……!」

 


更に魔剣を振るい追い詰める…



「そんなことは無いっ!師匠にも出会って鍛えた、死線すら数度乗り越えた、これからだって強くなる…!」




わかるよ…強くなってるよ十分に…


「笑わせるなっ!剣を抜かずに何が強くなるだ…覚悟の無い剣は皆を死なすぞ…っ!ボクに

覚悟を見せてみろ、証明してみせろっ!」



魔剣を打ち込むとオニキスが抜かずに回避する…

オニキスは優しすぎるんだよ…


眼に魔力を流すとオニキスの左肩の怪我の見つけ掌底を入れる。


「ぐっ!」

オニキスが踞る(うずくまる)と言葉で追い討ちをかける…



「逃げてるだじゃ集落のときみたいにまた殺してしまうぞ…何も救えない、何も守れない…君の代わりにボクとアンナちゃんが君の仕事をこなす、集落の皆だって探し出す…だから、だから…」


あれ…何で眼から溢れてるんだろ…



「分かったよ…僕はいつまで立ってもダメな奴だ…モルちゃんゴメン、僕も譲れないんだ…」


オニキスが立ち上がると鞘から魔剣を抜くと正眼に構える。


眼に魔力を流すとオニキスの未来予測を立てる、なつかしいな幼いときの英雄ごっこを思い出すよ… 


オニキスの魔剣に僕の魔剣を合わせる、重い

…あと3分の間に魔剣を発動させないといけない、所有者の運命…もしくは相手の運命を断ち切る…


「本気を見せてみろよ…ボクが納得できる剣を……」


軽い切り傷は与えた…効果はでているのか?


「……」



5合打ち合って、6合目に相討ち…浅くは無いが二人とも死にはしない筈だ…




魔剣がぶつかる度に、魔力が放電する…

ギンッ


思いがぶつかる度に心が傷ついて行く…

ギンッ



これで良かったんだ…


ギンッ


未来視なんて、うんざりだ…

ギンッ



オニキスの運命も変わるはずだ…

ギンッ



二人を魔法の光が包み込んで行く…



互いに脇腹あたりかな…

痛いのはいやだな…













「「だめぇー」」







分かっていたのに、分かっていたから、見えていたから…見えていた結果だから…



「何でだよ…」





飛び込んできた影に止められる…



ボクはアンナちゃんに



オニキスは仲間の女の子に…







「何でよ…」


変えれるかも知れなかったのに…







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