表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒い兎の冒険譚 勇者の存在しない…この世界で…  作者: 黒うさモフル
第三章 冒険の旅に
68/117

水上の戦い決着

月に照らされる湖面が赤く染まっていることが、この戦いの終盤を告げている…


予測出来た未来824通り…

善し結果が22通り…

悪し結果が802通り…


最善手が4つ…

次善手が18つ…


現状は22通りの中だ、結果は確定している…

後は最善手で終わらせれば、プラス結果となる…


ここまで要所要所で慎重に行動してきたつもりだ…


航路の微調整…船夫の誘導…

あとは、戦闘のサポートで最善手を引き続ける…


船夫が落とした弩と、散らばっている矢を拾い上げると、大きく深呼吸して矢をつがえる…


氷の壁(アイスウォール)


ウルマちゃんが魔法で下位水竜のブレスを防ぐと船夫たちから歓声があがる。



…まだこの次がある



続けてのブレス攻撃がくるのだ、ここでボクがウルマちゃんに注意を促すと、氷の壁を厚くし、ブレスは防がれるが、破片が飛び散り、たくさんの負傷者を出してしまう…



最善手はボクが3射するうちの2本の矢を、下位水竜の右目に当てなければならない、この射撃にしても見れたのは202通り、2本当てれたのは、一度しかない…


必然無き偶然の偶然…



船に戻ったアンナちゃんが大型弩(バリスタ)の矢を槍の如く投擲し頭に命中させる、当たった衝撃で下位水竜の頭が跳ね上がり、続けてボクが放つ矢を命中させるのだ…



1射目…これが外れれば、即終了だ…怒り狂った下位水竜が船に体当りをし、そのまま絶命し…勝利するが…船の修理で今後の航海に支障をきたし、合流のタイミングがずれてしまう…


命中する可能性は202分の26


26回の命中は高くないが…


命中する記憶を呼び出し動きを重ねると…弩のトリガーを引く


パシュ


未来視の記憶と寸分無くおなじだ…


下位水竜の目に命中する…




きゅうぉぉぉぉー







甲高い下位水竜の鳴き声が鼓膜をやぶるほど勢いで耳に襲ってくる。





……ここからだ






矢をつがえ構える、指をかけるトリガーに注意を払う緊張し過ぎて誤射してしまいそうなのだ…




深呼吸をすると、頭がぶれる位置を空間に狙いを定める…




下位水竜が顎を大きく開けると、熱量が集まっていく……





…………………………!?


高水圧のブレスじゃない…





……………!



未来視で見た未来よりも、更に数ある未来…

まさか、ここで違う分岐が現れるとは…




「くそっ」



これじゃ825通りになり…

結果が増えてしまう…



なるようにしかならない…



視界にアンナちゃんの投擲態勢が映る…



「えいっ!」


気合いの声で、大型弩の矢を投擲する…




カチッ

「…………やるだけだ!」


タイミングを合わせてトリガーを引く…

不完全能力に苛立つ…


下位水竜と、いえ竜か…大きく開かれた顎から熱線が放たれ船を襲う…


投擲された矢が命中し水竜の頭をはね上げる。







弩から発射された矢が目蓋をかする…


「くそっ」


どうなる……!?











水竜の下から跳躍した猫人種の隊員が二本の曲刀で水竜の顔を十字に切り上げる。


「させるわぁけぇないだろぅー」








そのまま頭に曲刀を突き刺すと足で曲刀わ踏みぬき離脱する。



熱線のブレスが、氷の壁に直撃すると直ぐ様ブレスが消滅する…


同じくして下位水竜(レッサーサーペント)が絶命する…





勝利したが、喜んで良いのか…わからない…





「よろこんでいいんだよ、モルちゃんは良くやったよ」






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ