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黒い兎の冒険譚 勇者の存在しない…この世界で…  作者: 黒うさモフル
第三章 冒険の旅に
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水上の戦い2

穏やかだった湖面に高い波が走る…船体が大きく揺れると船夫たちが甲板を横滑りしてゆく…

錨が上がっているのか、戦闘しながらの後退は難しいぞ…


速度は下位水竜(レッサーサーペント)の方が遥かに上まっている…


なっ…



「あいつら、無茶苦茶な戦いしやがって!」



ウルマが氷の魔法を飛ばし、ユアンナが跳躍して一撃離脱を狙ったのは仕方ないかもしれない…しかし二度も通じないぞ…



跳躍したユアンナの攻撃が予想どおり回避され、高い水飛沫をあげる…


「ゆわんこっちゃない…」


シャミィが、マストから飛び降り甲板に着地すると、近くにいた船夫を捕まえ、指示を出す。


「救命用の浮き板(フローティングボード)あるだろ?全部湖面に、投げ入れろ!」


「そんなの、俺の判断で出来るわけないだろっ!」


「王都の特務隊のものだ、あたしが、この状況をなんとかしてやる!」


隊服のエンブレムを見せ半強制的に実行させる。


「俺は知らねえからな!おい、おまえら、ありったけの浮き板(フローティングボード)を湖面に投げいれろ!」



船夫か、他の船夫に協力を求めると、仕方無しに実行してゆく…



シャミィが甲板から、しなやか跳躍すると一枚の浮き板に着地すると直ぐに、他の浮き板に移動してゆく…



湖面に落ちたユアンナを見つけると、首根っこを掴み湖面より引き上げると、小脇に抱え

安全そうな距離の浮き板まで移動する…



「あんな戦いかた、するんじゃないぞ…間違えたら命をおとすぞ…」


二本の曲刀を引き抜くと散らばる浮き板を足場に、下位水竜に向かっていく…


下位水竜が尾の一撃を繰り出すと、跳躍しながら回避し二本の曲刀で斬撃を与える…


「くっなんて、鱗だよまったく…」



浮き板に着地すると、下位水竜に届く位置を探し移動し二本の曲刀で横凪に切る。


「もうっ、損な役ばっかりだぁー」


更に舞うように数十回の斬撃を繰り出す…


直ぐさま、違う浮き板に移動すると、様子をみる…


そろそろ効いてくるか…


下位水竜(レッサーサーペント)の動きが、さっきより鈍くなり、あきらかに毒の効果が表れている…


ニヤリと嗤うと、跳躍しながら切り抜き、浮き板に着地する…


数度繰り返すと、下位水竜の出血が増えていき弱って来ているのがわかる…


下位水竜が、水中に潜りはじめた…


静寂がはしる…逃げたのか?







近くの湖面から空気の泡が上がってくる…


真下かっ!?


真下の水中から飛び上がるよう、体当たりを出してくる…

乗っている浮き板が、持ち上がると直ぐ様跳躍し間一髪回避する…



下位水竜の動きが元に戻っている…


水中で毒を洗い流したか…



しかし、甲板からの攻撃も続いており、もはや下位水竜は死に体だ…







下位水竜がカッと口をあける…



「ブレスだっ!」




下位水竜が船に向かって高水圧のブレスを吐き出す…



船に直撃する手前で、湖面から氷の壁が出現し直撃を防ぐ…



ウルマか、甲板に視線をむけると、両手を付きだし魔法を維持している…



「あいつらも少しは認めてやるか…」

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