水上の戦い
湖面の月が揺れている…湖面も美しいが、夜空に散らばる星々も素晴らしいものだ、誰が考えたんだろう?星の位置で船の位置教えてくれるなんて…
順調にいけば、3日とかからず追い越す筈だ船の速度が緩やかになり船夫たちが、忙しく動きだす、マストを登り帆をたたみ、
錨が下ろされる、暗いが目を凝らすと陸が近いのがわかる…
そうか、今日はここで停泊するのか…
マストを登った船夫が大声をあげ帆を畳むのを中断する…
「魔物だー」
船夫達が錨を急いで上げると、各々に武器を取り出す…
魔力を紡ぐ…モルちゃんの未来視を受信する…
直ぐの未来を覗き見る、モルちゃん?は既に見ているようだ、足早に船室から飛び出し、途中アンナちゃんと合流して、このまま甲板に上がってくるようだ…
甲板の一画に覆い被されている布が取り払われると、城壁などに配置されているような、大型弩が現れる、観測者、装填者、巻き手、射手と、完全に役割分担され使われている。
「装填完了」
槍のような、矢が大型弩に装填されると、巻き手がキリキリと矢を引く。
「発射準備完了」
観測者が望遠鏡を覗き攻撃地点を決める。
「距離200、右に5度、高さ38度、三、二、一、放てっ!」
射手がカウントダウンの声で矢を放つと直ぐ様に次点装填の指示をだす…
観測者が声をもらす…
「下位水流だと」
甲板が忙しくなる、弩を持った船夫達が射程内に入った下位水流に一斉射するが、硬い鱗に阻まれて…効果をあげていない…
乗り合わした冒険者たちも、魔法の矢や、炎の玉、氷の槍を飛ばし幾らかのダメージを与えてるが、致命傷にはほど遠い…
竜種との力の差を認識していまう…
わたしたちも、何とかしないと…
「氷の槍!」
わたしも、それなりに訓練はしてきたつもりだ…ちょっとやそっとじゃ倒れないつもりだ…
指輪の魔力を借りる…
ハルさんが、魔法の指輪だ持っていけと餞別にくれたものだ…威力増幅効果が得られるらしいが…
氷の槍が下位水流に直撃すると、少しだが鱗が剥がれたように見えた…
「うーちゃん!」
甲板にアンナちゃんとモルちゃんがかけ上がってくる…
下位水流の距離がだいぶ接近している、大型弩も3射され命中した矢一本が深々と鱗に刺さっている…
ふと、横をみると…アンナちゃんが甲板を駆け出し跳躍し下位水竜に着地と同時に、槍を深々と突き刺す…
次の瞬間アンナちゃんが、下位水竜を足場に跳躍して戻ってくる。
「うそっ!」
あまりにも突拍子のない行動に驚愕してしてしまう…
アンナちゃんが槍の代わりに大型弩の矢を手に取ると、助走をつけ跳躍する…