猫人種の隊員
見渡す水平線が湖の広大さを物語っている…
大きな帆が風を受けて、気持ちよく帆船が進む…重量630t、全長520m、船幅11m、深さ5.2m、湖の街から、出ている定期船、月夜のマーメイド号は大陸最大の湖周辺に存在する村や集落の為に建造された1隻である。
他にも6隻の帆船が全周5000㎞のこの湖を同じく航海している。
燃えるような赤髪が湖面に映える…
湖面を眺め誰もいないこと確認すると大きくため息をもらす…
「はぁ、なんで…あたしが…子守りを…久しぶりの休暇だと、思ったのにぃ…」
タイミングが、悪かった…
魔物の大量発生の調査任務を終えて帰還するのが、まさかあたしが一番だったとは!?
もしや他の隊員は凄く丁寧に任務をこなしているのか?
いや、そんなことはない、さほど他の隊員と変わらない筈だ。
「シャミィか!よいタイミングで帰ってきてくれた!」
「はっ!ただいま戻りました!あたしの調査区域ですが目立った問題はありませんでした!詳細は報告書にて御確認お願いします!」
よいタイミングで帰ってきてくれた?嫌な予感しかしないじゃない…
「では、失礼しますっ!」
足早に最速に立ち去ろうとしたのだが…
「ちょい待ち!シャミィ!」
急がないと任務させられる…休暇が取れてないんですよ…
「はっ!自分は立て込んだ用事が有りますのでっ!」
「おほん、次の任務の事だが…消化してくれると、長期休暇を与えようと思う…」
長期休暇だとどれくらい…
「あ、あの、どれくらいの休暇が、貰えるのでしょうか?」
「20日といいたいが、30日だ!どうだ!」
「わかりました、涙を飲んでお請け致します…」
失敗だった、内容を確認してから決めるべきだった…気ままな調査とか、情報収集だと思っていたら、子守りだとは…
任務内容は、兎人種宝石色三人を、鉱山に向かっているシアさんまで届けること、シアさんは現在、兎人種の宝石色と人種の天啓者と思われる少女と、鉱山に向かっている…
途中、力試しの洞窟によるといっていた…
航路を使って、遅れた時間を取り戻しつつ、先回りして合流する…
あたしながら完璧だ…
ただ、兎人種の三人が、慣れない…
青っぽい子は1人はぶつぶつ何か考えている、白い子、この子も何か使命感?に、駆られブツブツいっている…
桃色ぽい子、このこはおっとりしていて、一番話しやすいかも、ただゆっくり話すので…なかなか話がすすまない、まあ兎人種と言えばこんな感じか…
早く任務を完遂させて休暇に入ろう…