謎の女性
薄い緑がかった髪に同じく薄い緑色の瞳…
異国の文化を思わせる衣装…
水晶が蒸発していくかのように消滅していき、中にいた女性がふわりと床に着地すると、僕とプラムに視線を向け、足の爪先から頭の頂きまで観察するかのように見つめる…
まだ、油断して良い状況ではないのだ、目の前の女性の正体が解らない以上は戦闘だって発生しうるのだ…
「あなたは、何者なんですか…?」
プラムが話し掛けるが、反応が今一つ返ってこない…
謎の女性が次に視線を移したのは、円柱状のモニターだ…
謎の女性の瞳が凄い勢いで、流れる文字を追っていくと、時折うなずいたり、顎に手を当てたりしている…
円柱に手をかざし、右から左に手を振ると、今までの文字の流れが、逆方向に進み始める…
かなりの時間モニターを眺めている…
僕とプラムは、部屋の中を調べて見るがこれといって珍しいものも発見できない…
ちょうど良い机と椅子があったので、腰かけて、休憩させてもらう…
「あの人、何者なんだ…迷宮の主か?」
「いや、主なら戦闘になってもおかしく無いですよ…強いてゆうなら…封印されていた…長きに渡り眠らされていた…」
「なんのために?」
「さあ…」
謎の女性を見ていると、手のひらの上に小さなモニターが出現する。
何かの操作をモニター越しにおこなっている
。
すると、此方に向かってくると一言ことばを発する。
「迷宮に挑みし者たちよ…現在の暦は…」
「ちょっとまってくれ!その前に、あなたは何者なんだ?」
謎の女性が応える…
「私が生まれたのは西暦2978年・魔導暦にして158年…そこから213年後にこの肉体が構築された…名も無き存在だ…」
「王国暦818年、私達が生まれた時から…更にずっと大昔から西暦や魔導暦は存在していない…」
プラムが応える。
「なるほどな…およそ千年…空白の時代が存在するのか…」
名も無き女性が応えた…