紅水晶と水宝玉6
煉瓦積みの頑丈そうな建物に連れてこられ、簡素な応接室に通されると事情徴収を受けている…
いやいや隊長様がいらしたので、その辺は把握されていると思うのだが…
まぁ、お店に迷惑をかけたことは事実で有るにしろ…
うーん…仕方ないか…
事情徴収も終わると、難民の手続きだ…
いやいや、別に直ぐに王都を旅立つので、不要かと…
「そうかい…おまえら、ほんとっ大変だったんだな…ぐすっ、これ食べるか…王都自慢の焼き菓子だぞ…遠慮するなっ…」
ギルガメス隊長様が人情味溢れる方だと、そうそうに解ったので、こちらがオニキス達の事を聞きたいのですが…
アンナちゃんは、焼き菓子を堪能してるみたいで何よりですが…
「そうだ、黒うさの坊主の事だな…お前達兄弟か?同じ集落で状況が状況だったから気になるわな…ぐすっ」
「はい…幼馴染みみたいなところですかね…」
「幼馴染みだよう」
アンナちゃんに訂正された…
「あいつと、妹ちゃんは旅の剣士に助けられて、そのあと行商人の馬車でここ迄来たんだ、で剣士に少しの間世話になっていたみたいだな…
坊主の方が練兵所に通い初めて、俺と出会ったわけだな…妹ちゃんは学園に通ってると思うよ、確か特務隊の人んとこで生活始めてるよ、坊主は剣士と旅にでたがな…」
まさか、行方がほぼ解決するとは思って見なかった…
ウルマちゃんにオニキスの未来視の見えた行く末を、伝えて何か手を打たないといけない…
ギルガメス隊長…良い人そうだから大丈夫だろう…
「オニキスの妹の居場所教えてくれますか?」
「うーん…」
特務隊の人に世話になってるか…
普通の兵士じゃ無いわけだ…何かしら秘密があるのか…
ギルガメス隊長が悩んで唸っていると、焼き菓子を手に取るアンナちゃんが、視界に入り何か閃くと、ぽんと手を打つ…
「そうか!あの人も兎人種だった、嬢ちゃんのほうと雰囲気すこしかぶってるわ、ならおそらく問題ないか…」
「いつ、会えますか?直ぐあえますか?」
「なら、学園の方にあたった方が、いいかもしんねえな。確か地図で言うとここだな…」
意外と近い…
「解りました、いってみます!」
学園なるところでウルマちゃんをまず確保だ…
「特務隊には、お前達のこと俺から話しておくよ…」
煉瓦作りの詰所から外に出たら、夕日が綺麗に射しており町ゆく人の影法師が家路に向いているように感じた…