邪魔はさせない…!
獣人種や人種に特異な能力が出現するのならば、魔物や魔獣にだって強い何かが現れるのは、おかしく無い…
私の力は後天的に出現したものだ…
王都に仲間達と訪れて…私だけ置いてきぼりだ…
ギルドで一番幼かった私は団員にすら認められて無かったんだと思う。
団長達はクエストの依頼を遂行するため、王都を旅立った…だいぶ昔の話だ…
「留守番はたのんだぞ」
その言葉、その一言で、待ち続けた…
何年たっただろう…
ある日、ふと気づいたんだ…待ってるじゃなくて探しにいけばいいんだ…
それからだ練兵所に通い初め、子供のおままごとと笑われながも少しずつ少しずつ力をつけた。
初めて独りで討伐依頼を受けた、もちろん最弱の小鬼だ。
王都周辺に増えきた魔物を間引きするのだ…
依頼は複数人で参加、出来高報酬だ一匹でも十匹でもいいんだ取り敢えず、実戦をこなすのが目的だ。
順調だった…
小鬼だったら問題ない。
運が良いのか悪いのか、上位小鬼と戦闘になった…
私の戦闘技術と腕力では通用しない事がすぐに理解出来た、切り払い、突き、フェイントも駆使してみた、諦めたら…
追い掛ける事すら出来ない…
とうとう得物の槍を弾かれた、それでも転げ回り足掻いていた、逃げる好機を見出だすのだ…
足が縺れる!
そういえば、ずっと休まずだった…
知らない内に身体が限界を超えていたみたいだ…
「ばかだなぁ…わたし…」
目尻に溜まった涙が頬を伝った気がした…
最後に覚えているのは、上位小鬼が棍棒振りかぶる瞬間だ…
目の前が鮮血で染まり、私の手には見たこともない神々しい槍がにぎられていた…
似てるのですよ、あの時の私と…
黒うさ君の戦いを邪魔させないのですよ…
神槍の柄を強く握る絞めると魔力を流し、一気に凪払うと、数匹の魔物が吹き飛ぶ、まだまだ数はいるが
大丈夫だ…
もう…あの時の私じゃない…