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黒い兎の冒険譚 勇者の存在しない…この世界で…  作者: 黒うさモフル
第三章 冒険の旅に
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巨大女王蜘蛛

日が落ちるのが早い…


完全に日が暮れたら、苦戦は免れないだろう…


昆虫とは異なる節足動物…


糸で罠を張り掛かった獲物を捕食する…



切り着けてみるが、外骨格の強度で短剣では、弾かれてしまう…


「くっ!」



重さを乗せきれない短剣では、役にたたない…



「関節部分を狙え!」



シアさんが魔剣を振るいながら指示を出す。


関節までの高さが厄介だ…!


全長約1メートルある魔剣でも届くか届かないくらいだ、致命傷を与えるには時間がかかる…






プラムは!?





投合した槍が手元に戻っている…


魔槍…!



「プラムっ!」



「わかってますよっ!」




槍に魔力を流すと投合時に与えた貫通部分を狙い渾身の突きを繰り出す。





「ていっっ!」



1本の脚が弾け爆散する…





なんて威力だ…?!



僕は僕のやることをする、バックパックから松明(たいまつ)火口箱(ほくちばこ)を取り出し、松明に火をつける。




暗くなっていく中、周囲が少し明るくなる。





脚を一本失っても巨大女王蜘蛛(クインスパイダー)の脅威を失っていない!


残った脚から繰り出す攻撃は地面をえぐり、脚を吹き飛ばしたプラムに敵意(ヘイト)がいく。


振り放つ一撃を槍の柄で受け止める。



ガッ



「わぁっ!」



重い音が響き受け止めたプラムが吹き飛ばされる…

巨漢のギルガメスさんの一撃を上回る惰力だ…!




「プラムよくやった!」


脚を一本失ったせいで、関節までの打点が少し低くなっているのだ、シアさんは魔力を魔剣に纏わすと一本の脚を下から切り上げる。



さらに、駆け抜けつつ他の脚を切り上げる!



徐々に巨大女王蜘蛛(クインスパイダー)の動きが鈍くなり関節までの打点が低くなる、今度はシアさんに敵意(ヘイト)が向くと腹イボから糸を出す、とっさに回避行動に移るが足を絡めとられる、魔剣を振るい体まで絡め取られるのを防ぐが、動きを封じられてしまう…


「ちぃ!」


なんとかしないと…




「でぇぇぃ!」


戦線に復帰したプラムが槍の柄先端部分を両手持ちに走り込みなが振り抜くと巨大女王蜘蛛(クインスパイダー)の脚が吹き飛ぶ!




プラムに敵意が向き、糸を飛ばす!


「きゃ!」


シアさんと同じように回避を試みるが、糸で絡められてしまう…


辺りがは既に暗くなり松明一つの明かりでは心持ちなくなってきている…



剣の地震(ソードクエイク)!」



ゴォォォ



シアさんが魔剣を糸に絡まれたまま地面に突き刺す!


巨大女王蜘蛛(クインスパイダー)の頭下の地面が隆起し一気に盛り上がると巨大女王蜘蛛(クインスパイダー)が仰向けにひっくり返される。



「オニキスっー!」

シアさんが声をあげるっ!





その呼び声の瞬間松明を巨大女王蜘蛛(クインスパイダー)投げ、走りだし跳躍する!



滞空中に魔法の短剣を逆手持ちし着地と同時に腹に突き刺す!


氷の刃(アイシクルブレード)


生成された氷の刃が深々と刺さっていく。



「オニキスまだだぁあ!」


シアさんが叫ぶ!



もうひと振りの短剣を鞘から抜くと、頭、複眼と突き刺す!巨大女王蜘蛛(クインスパイダー)の顎の一撃が飛んでくるが、弱ってる上に仰向け状態だ!集中していれば回避出来る速度だ!


回避して攻撃を続けていると、巨大女王蜘蛛(クインスパイダー)が絶命したようだ…




僕は、そのまま尻餅をつき力が抜ける…



「オニキスよくやった松明で糸を焼ききってくれ!」



「こっちも頼むのですよー」







「ふぅぅー」




深く息を吐き出し完全に日が落ちた空を見上げる…


さっきまで隠れていた月が今は辺りを照らしている…



僕は、まだ燃えている松明を拾い上げた…

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