実戦
森林と街道の狭間で、戦闘に入った…
小鬼は、強い魔物では無い、体格にしても大きな子供くらいだ、注意すべきは数が多いから、囲まれないようにする事、錬兵所にあった戦闘教本にも書いてあるくらいだ。
僕はふた振りの短剣をどちらも順手持ちし
、刺突による攻撃を最初一体に繰り出す、リーチの差もあり小鬼の胴体に深々と刺さる…嫌な感触だ…
そういえばシアさんが刺突で刺したあと、手首を捻れば威力が増すと言っていた…
グッと捻る…
短剣を引き抜く…
シャアアァ…
「うわっ…」
もろ反り血を浴びる…
飛び掛かってくる二体目に左の刺突を繰り出した後、すかさずバックステップを入れる、捻りを加えていなかったので、そこ迄の出血は見られないが致命傷の筈だ…
刺された二体目が倒れる。
…
馬上の二人を脅威と見たのか小鬼達が四体づつに別れ、シアさんとプラムに襲い掛かっていく…
プラムを見ると、馬上からの槍による突きで一体!続けて凪払って二体目、三体目。
四体目を突き刺して全滅さしている…
強い…!
馬上に槍がここまでとは…!
シアさんは手綱を操り、軍馬で二匹を蹄で潰し、背後にいた小鬼を後ろ足で蹴り上げ…
最後の一匹を魔剣で頭を叩き割っている…
「終わったか?眠気覚ましにもならなかったぞ!」
「黒うさ君大丈夫でしたか?」
シアさんとプラムが軍馬を操りこちらに近づいてくる。
「だいじょ………!?…………きますっ!」
空気が震える
あの小鬼は何からか逃げていた…
戦闘中、足跡のようなものは聞こえなかった…
その正体がこいつか!?
森林から物音立てずにそいつが現れた8個の複眼と八本の足…
鋭い凶悪な顎…
「ほう巨大女王蜘蛛か…しかも通常よりかなりでかいぞ!
プラム馬から降りろ!オニキス無理をせず二人で時間を稼げ!あいつからは、たぶん逃げられん!」
シアが軍馬から降りながら指示をだす、続けてスクールを広げ魔力を流す。
「収納…!」
軍馬二頭がスクールに吸い込まれていく、
「今足を失くす訳には行かないからな…」
短剣を巨大女王蜘蛛に向け魔力を流す…
「氷の針!」
複眼目掛けて氷の針が飛んで行く、あくまで時間稼ぎだ…
プラムがとなりで槍に魔力を流すと、少し助走し一気に投合する!
「いっけぇぇぇ!」
槍が加速すると共に実体を失くし光の帯になる投合された槍が巨大女王蜘蛛の脚を二本貫通する!
「槍よ我がてにもどれ!」
プラムの手に槍が復活する!
その間にシアが戻ってくる!
「またせたなっ!!オニキス、プラム!奴の後ろに回り込め!」
シアさんが指示を出し僕とプラムで後ろから攻撃するかたちだ!
気がつけば太陽が少しづつ沈むもうとしていた…