目的とは
代わり映えの無い景色が続く。
街道をひたすら東に進む。
街道沿いは、かなり長い森林のようだ、枝葉が風に揺らされ、ずっと同じ音が聞こえる。
シアさんの、行っていた目的の鉱山までは10日ぐらいらしい…
鉱山て鉄の原料の鉄鉱石だっけ…?
今度は鉱山が襲撃を受けると言っていた?
「シアさんっ、気になってたんですが、この前、採石所、王都の次は鉱山が襲撃を受けるっていってましたよね?良質の鉄鉱石でも取れるんですか?」
軍馬の手綱を操るシアさんの後ろから聞く…
「あぁーその事か、言ってなかったな、鉱山って、別に鉄鉱石が採取出きるとかじゃないんだ、うーん隠れ里と言うのが正しいか…優秀な金属色の狼人種が生まれるんだ。
採石所って、もう分かるだろ、お前がいた集落だよ…宝石色の兎人種が生まれる所だ…」
普通に暮らしていた集落が隠れ里だと…!?
何の為の隠れ里!?
「シアさん、それって!?」
「さぁー私にもわからんよ、私も鉱山の生まれだからな、興味はあるぞ何の為の隠里…なんだろうか…」
「あのぅ、鉱山と採石所が隠れ里で何か意味するものがあるのだとすれば、王国の襲撃も、何か意味があるものだったのですよね?」
シアの軍馬の横にプラムが軍馬を寄せてきた…
「どうして、プラムが着いてきてるんだよ?なにも聞かされてないんですけど?」
その為、今僕はシアさんの後ろ乗っているのだ…
「むむっ!黒うさ君!そこは気にしなくて良いのですよ!」
「王国にも生まれるのだ…金属色、宝石色にも劣らない特異者の人種、天啓者だ…
プラムお前も、そうなのであろう?」
「むっ、シアさん私は普通の女の子なのですよ」
何が普通の女の子だ…高い身体能力に、魔力の帯びた槍、フード付きマントの下の真っ白な鱗鎧高級素材で作られたブーツ…
これで同じ14歳なのか…?
んっ?
「森林から複数の魔物の移動音が聞こえます!どうしますか?」
「よしっ!眠気ざましに、一戦交えるぞっ!オニキス!プラム!実戦経験を積む、良い機会だ!無駄にするなよ!」
森林より出てきたゴブリンの群を既に視認出来た!
数は10体ほどだ、油断さえしなければ、大丈夫だ!僕は軍馬から飛び降り、鞘から短剣を抜き出し臨戦態勢をとる。
シアさんとプラムも武器を馬上で構え同じく臨戦態勢に入る。
魔物たちは何かに追いたてられているようだった……