約束の日と決意
約束の日だ、あれから良く考えた、自分の事自分達の事を…
正しい答えじゃないかも知れない…
正しい答えかも知れない…
ただ、決めた事に対して後悔しないようにしたつもりだ…
王国に昼を報せる鐘が鳴り響き、身綺麗にして王宮にシアさんウルマと出掛ける、といっても王様や身分の高い貴族に謁見する訳じゃない、王宮の特務隊の詰所に行きハルさんに、この前の返事をしに行くのだ。
僕たちが慣れない場所を我が家のようにシアさんが先導していき、ひとつの扉の前で止まる。
シアさんが扉をノックし、見習い隊員が我々を確認すると奥に通される。
「失礼するぞ、ハル任務明けか?ちゃんと睡眠取らないと、お肌に悪いぞ…」
いかにも眠そうなハルにシアが声かける…
「隊員が出払ってるからな、私しか処理出来ない案件も多いんだ…辞めた身のお前は気楽だな…!これでもお肌の手入れはお前以上に行き届いているぞ!
オニキス朝方ぶりだな、ウルマ来ないだの学園は気に入ったか?」
シアさんとハルさんが挨拶がわりの会話をし、飾り気のないソファーに座ると、僕たちも腰を降ろす。
「ハルさん今朝はありがとうございました」
改めてお礼を言う、あのアドバイスで一歩前に進めたのはあきらかだ。
「ハルさんこの前はありがとうございました、人の多さにビックリしましたけど、すごーく新鮮でした!」
ウルマは学園の見学に行った日から、かなりご機嫌だ、かなり楽しかったんだろう。
集落の出来事から元気が無かったのは明白だった、学園でなにか得るものがあったんだろう。
「そうか、私もオニキスとウルマの役にたてて何よりだ!さて、早速だがこの前の返事を聞かせて貰えないか?」
ハルさんが僕とウルマを真剣に見つめながら口を開く。
「私は、王国に残って学園に通うことに決めました!」
ウルマがハルさんに自分の意思をつげる…
「僕はっ…」
「僕はっ冒険者になって、世界が見たいです…!」
ハルは二人の決意に対し、深く頷くと微笑みながら返事をする。
「わかった、お前達の未来が幸あるものになるといいなっ…!」
「シア、オニキスは任せたぞ!ウルマは私が面倒みよう!妹ができた感じだなっ」
「オニキスの師匠は私だからなっ!それと妹じゃなくて娘の間違いじゃないのか?」
シアがハルに毒を吐く、オニキスとウルマのハル人気に少しご立腹なのだ!
そんな毒は効きませんと、シアにハルが真顔で聞く…
「娘か、そうでも良いがな…ところで出発と目的地は決まってるのか?」
「数日中には出発する場所は鉱山だ!」
シアが答える。
「その意味と目的は?」
ハルがさらに聞く。
「魔物の襲撃が採石所、王都ときたら、次は鉱山だ!目的は、鉱山の防衛と敵の確認だ!」
シアさんが獰猛な笑みを浮かべ力強くハルさんに答えた…
僕は次の旅に心を踊らせた…
どんな冒険がまっているんだろう…