強くなるには
環境が変われば、人も変わる…
王国に来て十日だ…
たった十日でいろいろな事があった…
練兵所に通い始めてから早起きし自主訓練を行っている…
素振り、体捌き、足捌き、型稽古、魔力の流し方…
シアさん、ギルガメスさん、プラム、練兵所の兵士や冒険者…
皆がそれぞれ教えてくれる…
「いいか!相手をよく見て、いけると思ったらスパッといくんだ!」
「はっはっはっ!気合いと根性だ!あと我慢だ!」
「うーん、負けそうでも諦めたら駄目なのですよ!頑張れば何とかなるのですよ…!」
それぞれの顔を思い出す…
日ノ出までかなり時間がある、冷たい空気が動かした体に心地よい、少し休憩をしながら、どうやったら強く上達するのか考える…
「はぁ…」
星が出ている明け方の空を見上げ大きなため息をついてしまう……
「オニキスではないか?朝稽古か!頑張ってるな!」
意外な時間にハルさんと出くわした…
「任務の帰りだよ、シアから聞いている、練兵所に通ってるらしいな、強くなったか!」
思いきって、ハルさんに聞いてみた…
「いろいろやってるんですが…思うようにいかなくて…」
「それはそうだろ…十日で強くなれたら、皆精鋭の兵士だからな、百聞は一見にしかずだ!手合わせしてみるか?」
ハルは落ちている、ちょうど良い木の枝を拾うと器用に手持ちの短剣で整えていく…
木の枝を数振りする。
「よしっ!オニキス、稽古用の木剣あるんだろ?はじめるぞ!打ち込んでこい!」
言われた通り一振り二振り攻撃を繰り出す、その後も考えられる攻撃を繰り出していく…
「ふむふむ、なるほど」
木の枝で捌きながら、ハルさんが頷いたり考えたりしている。
「よしっ、いいか私は今から目を瞑るぞ!同じように打ってこい!」
「はっ、はいっ!」
いくらなんでも、これでは…
さっきと同じように、攻撃を繰り出す、今度は突きを混ぜたりフェイントを入れたりする
…
ハルは木の枝で、捌いたり、寸前で回避したりする…
「はあはあ…どうして避けれるんですかぁ!?」
息が上がり、攻撃を中断し思わず聞いてみた…
その瞬間コツンと頭を木の枝で打たれる…
「そうだなオニキスは目で見すぎてるだろう、私達は兎人種だ耳が良いのが特徴なんだ、わかるだろう?実際戦闘する際は感覚を研ぎ澄ますんだ、その中でも我々の場合聴覚だ、訓練すれば空気の動きさえ聞き取れるっ!」
ハルさんは構え直すと、打ち込んでくるっ!
「ちょ!」
とっさに、打ち込みを木剣で防ぐ、感覚を研ぎ澄ます、良く見て良く聞く…!
攻撃の軌道が伝わってくる!
ハルさんがの攻撃速度が上がっていく!
必死で防戦する…!
攻撃を貰って打たれてるが、今までとは違い、ダメージを激減できている気がした、
相手の攻撃に対して反応速度が、上がっているのだ!
「そうだっ!出来るじゃないか!その感覚を忘れるな!」
頭に木の枝をコツンとあてられ攻撃が止んだ。
「ありがとうございましたっ!」
なにか少しだが自信がもてた気がする。
「なに礼には及ばんさっ、時間があればまた指導してやる!シアとウルマによろしくなっ!」
ハルさんは眠そう目で帰っていった…
気がつけば、日が登りはじめ冷たい空気が少しだが温かくなった気がした…
そんな朝が清々しく思えた…




