遺伝子情報
目に入る物は見たことの無い物ばかりだ…
検査に使う魔導機器の類いだろうか?壁際の棚には薬品だろうか?いかにも薬品といった独特の匂いをはなっている…
至るところに理解出来なさそうな本がたくさんある…遺伝子…?
遺伝子ってなんだろう…?
「来ましたか体調はどうですか?」
検査機器を準備をしながらアルカさんが聞いてくる…
「アルカさんのおかげで嘘と思える程快調ですよ」
腕を振り回したりしてみる。
「それは良かったわ、よしとっ、じゃあこの診察台に仰向けに、昨日みたいに寝転んでくれますか?」
クリスタルのボードを操作しながら、アルカが指示する。
指示通り仰向けに寝転ぶと、発光するオーブが自分の上をくるくる回り時折光を照射する…
アルカさんのほうを見てみると、クリスタルのモニターを眺めているようだ…
モニターには、おそらく僕の身体の輪郭?が表示され、凄い勢いで文字が表示されては、流れて行く…
アルカさんが言うには、僕の身体の設計図から情報を引き出してるらしく、遺伝子情報と言うらしい…説明してくれたが、今の僕では理解出来るか怪しかった…
そういえば、さっきの本が遺伝子学だったな…
何千年も昔の時代に解明された技術が形を変えて今に至るという…
そういう失われた技術が世界のいろいろな所で役にたっているらしい…
「オニキスお疲れ様、終わったわよ!」
アルカが一枚の紙を持ってきて説明する。
「オニキス、君は宝石色らしいが、瑪瑙系の遺伝子情報と黒色の普通色の割合が90:10で確認された、ここに【黒瑪瑙】と称しよう、特異能力だが、ウルマの特異能力とほぼ一致する能力が確認された、サンプルベースと照らし合わせると似たような能力が存在しているな、【伝心】と【表裏】だ、二人には何らかの関連があると見ている、二人から読み取れた特異能力を【陰】と【陽】と名付けることにする」
アルカさんは楽しそうに、読み取れた情報について考察を述べていたのだった。