王都防衛
王都への街道………
かなり以上に道が荒れている…
魔物の大量発生が原因だろう所々で戦闘痕が見られる、王都の守備隊あたりが出動したのだろう…
地面が抉られ、血痕が目にはいる…
かすかに血臭が漂っている…
「さて、どうしたものか……」
戦闘痕を調べれながら、シアが呟く…
「私は王都に卸す荷がかなりあるんですよ……」
行商人が困り顔だ……
「うん、私が王都まで見てこよう」
どちらにしろ、確認しに行かなければならないのだ……
オニキスとウルマは心配だが、この、辺りには魔物はいないだろう……
魔物の大量発生が起こった場合、周辺の魔物は群れに属すか、逃げるか、殺されるかのどれかだ……
注意さえしていれば大丈夫だろう…
ここからだと、短距離転移を3本使えばギリギリ行ける距離だ…
スクロールに魔力を込める
「それでは、行ってくるぞ……少しの間ふたりをたのむ…!」
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ここからだと、王都が見える距離だ…
目に魔力を流す……
「蒼破の魔眼」
魔眼の力で情報と状況を読み取る。
既に戦闘が始まっていた…!
王都の守備隊と、騎士団、冒険者からなる傭兵部隊が、主戦力のようだ……
対する魔物の群れは500頭位か?
城壁の外に討って出ているのは、騎士団の機動力を生かして早期決着を試みているのだろう。
統率の取れた50騎の騎士団がランスチャージで魔物の数を減らして行く。
城門に集まる魔物を守備隊が防衛に徹し、城壁からの弓兵が数を減らしてゆく。
冒険者からなる傭兵部隊は各部隊長からの指示を受け、群の主を探しながら攻撃している。
これなら時間と共に問題なく鎮圧化されるだろうと…………思った瞬間、戦場の一ヶ所で爆発が起こる!
羊のような巻いた角、獅子のような鬣と顔、3メートルほどの体長、厚い筋肉に、黒い蝙蝠のような翼、下半身は獣の体毛に覆われ蹄がある、手には三ツ又の槍をもっている……
「上位悪魔…だと…」
騎士団が気づきランスチャージを繰り出すが歯が立たず、半壊状態になる…
傭兵部隊も攻撃するが、魔力を帯びた武器でしかダメージが通らず一部の者以外敗退してゆく…
「いくしかないか……」
覚悟を決めたその時、城壁から大跳躍し落下速度から魔力を帯びた弾丸のような一撃を放つ獣人種が視界に入ってきた青紫色の髪色……!
「王国の宝石色か!?」
上位悪魔の出現で既に戦場は乱戦状態に陥っている…
シアは、なにかを確かめるように鞘から剣を抜き出し上位悪魔まで駆け出した……