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黒い兎の冒険譚 勇者の存在しない…この世界で…  作者: 黒うさモフル
第一章 旅の始まり…
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意識よ保て

馬車の揺れがひどく、(ほろ)にあたる風の音が唸るような声に聞こえる…


「…………っ!」



意識が覚めて、それはすぐに視界に入ってきた…


ウルマが短剣を利き手に構え、左手を刃の辺りに添えて、氷の魔法をだしているのだ!




氷の針(アイシクルニードル)!」



どうやら走る馬車の中から、魔物を撃退してるようだ…



ウルマの表情が険しいのがわかる、大粒の汗を額から流し、呼吸が荒く肩で息をしている、ふらつく体を必死で保とうとしている…


僕は何をやってるんだ…


守って貰ってばかりだ…



無意識に、体を引きずる…

「痛っ!」


這いつくばってウルマまで進む…掴まれそうな、木箱に掴まり体を起こすが力が入らない…


「っ!」


歯を食い縛り膝立になる…その瞬間、ウルマが崩れ落ちる…

意識を失ったのか…!?


大型の犬の魔物がウルマに飛び掛からんばかりに跳躍する!



「くっ!」



体が、どうなってもいい…!

今だけでいいから動いてくれ…!


魔力を流して体を強くする?


そんなこと出来るもんかっ!


出来ていたら、こうはなっていないっ!


自分の体が倒れこむのが分かる、目一杯腕を伸ばしウルマの持つ短剣に手を被せる!



ウルマから伝わってくるかのように、言葉を紡ぐ…


氷の刃(アイシクルブレード)!」


短剣から氷の刃が勢いよく精製され、犬の魔物の牙を剥いた口に、突き刺さる!



体から、一気に力が抜ける!?


魔力の消耗なのか…!?


「くっ!」


意識だけは保てっ!



保てっ!



堪えろっ!



後2頭っ




ウルマから攻撃を受けた2頭が速度を取り戻してくる。



2頭同時に跳躍してくる、歯を食い縛り体勢を立て直し手に持った短剣を左斜め下から切り上げる!



氷の刃が2頭を薙ぎ払う!体勢が崩れウルマの横に倒れこむ……



「痛っ!」




倒れこんだ横にウルマの顔が見える汗や埃でぐちゃぐちゃだが、安心感に包まれていように見えた……



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