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黒い兎の冒険譚 勇者の存在しない…この世界で…  作者: 黒うさモフル
第四章 決戦
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決戦12決着

強かった風が急速に和らいでゆく……


天変地異を彷彿させた状況が一変し少しづつだが落ち着いていき戦場の空気が別の物に変わってゆく…


廃墟城目前まで迫った変異種が天空から降る悪魔の大剣により串刺しにされ活動を停止する…魔女の極大魔法で止めを刺されたのか、別の力が働いたのか定かではない…



「戦場を支配する…魔力の質が変わった…」

口元の血液を拭い空を見上げ魔女プルメリアが呟いた…


数日前に放った禁呪を短い感覚でもう一度放ったのだ流石の魔女も疲労の色を隠せない…


「陛下御無理は行けません…後は次代の魔女様達に任せましょう。」


護衛兼側付メイドがモノクルに魔力を流しながら話す…


「それともかなり消耗してますが、まだ戦いますか…陛下」


拭った手の甲の血を水魔法で洗い流し護衛兼側付メイドが続ける。



「竜が数匹残っておるが妾が手柄を取っては皆が可哀想だ…あとの指示はそなたに任せる…近衛騎士団長」



「はっ、御心のままに…陛下、私は側付メイドですよ」



「そうであったか…多くの血が流れた…(ゲート)も開けなければならない…これからが本当の苦難の時代かもしれんな…」



プルメリアがマント翻すと旗艦に短距離転移(ショートジャンプ)する。






         ・



遠くの方で最後まで戦った古竜が大きな音を立てて地上に落とされる…

気のせいか戦闘が続いているようにも見える…


「あいつら強いな…賢者よ大丈夫か…」


魔剣士ファビアンが駆る白い竜が賢者のもとで翼をたたむと乗れと言わんばかりに屈み込む。


「助かりましたよ、こんなに疲れたのは初めてかも知れないですね…で、終わったんですね…」


賢者と握手するとそのまま、白い竜に引っ張り上げる。


「ああっ、終わったな…手も足も出なかった…」


「私とて似たようなもんですよ、ハハッ…」



「強さなど意味の無い物だな…」



「かもしれないですねぇ…」



「帰還するぞっ!」


ファビウスが竜の首をなでると翼を大きく広げ飛び上がる。

雨雲が流れ過ぎ沈む太陽が夕日を照らし出す…





         ・



「お前達の責任は重大だぞ…いずれ待たくり返す…」


竜人が胸に刺さった魔剣を両手で引き抜くと傷口に手を当てる…


「分かっているつもりさ…完全な存在なんていやしない…不完全で歪だから人間なんだ…神でさえもそうであろう…お前もそうだろ…?私は私の出来る事をやるだけさ…」



「人間らしい考えだな…だが我々はずっと人類を視ているぞ…」


「ああ、そうしてくれ」


シアが魔剣を鞘に収めると竜人が紅の竜に変身してゆく…






「人間よこの傷は忘れぬぞ」









「私も忘れないさ…」









破壊の魔獣が光の粒子へと化してゆく…




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