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黒い兎の冒険譚 勇者の存在しない…この世界で…  作者: 黒うさモフル
第四章 決戦
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決戦7

異様な空気…異様な気配…


強いて言うなら奥深い未階層のダンジョンにいる感覚…


目の前には、かつて世界を幾度と無に返した破壊の魔獣(ジャガーノート)と言われた存在が骸のように横たわっている…


「目覚める可能性が高い急ぐぞ…」


目指すは背中から大きく避けた傷口である。


最短は側面よりクライミングの要領で登り上がるのが早いが、まだ分離した寄生虫や竜が残っている為、無防備を晒す訳には行かない…

ここからは、その都度早く高い反応が要求される。


「尾か潰れている後ろ足からだな、シャミィ先頭頼むぞ」


「了解っ!んじゃいきますよ」

バックパックをユアンナに渡すと足元を確かめ進んでゆく…




高さにして50メートルはあるだろうか…


ちょうど残った1枚の翼付近に差し掛かったとき鋭い剣撃がシャミィを襲う。



「くっ!」

咄嗟に曲刀二本で防ぐと魔力を体に巡らせ押しとどまる。



「貴様っ!」

声を上げたのはシアだ、目の前に現れた紅い鱗を持つ竜人が進路を立ちはだかる。


「シャミィ!みんなを連れて任務をこなせ!こいつには借りがある」


「こいつっ!」


シアがシャミィにそう告げるとシャミィが声を上げ二本の曲刀で竜人の大剣弾き返し数合打ち合うと、距離を稼ぐ。


「ここは任せましたよ、絶対に負けないで下さい」


シャミィがシアにすれ違い様に呟く。


「ふん、あたりまえだ!」


最初から全力だ日緋色金の力を使い身体能力を極限以上まで上げ、尚且つ魔剣の力を限界まで引き出す…


相手を良く見ると首筋がかなり抉られ血が流れ出ている、お互い長い時間の戦闘には無理がある、短期決着だ。


「人間風情が…行かせるか!」


竜人が大剣を掲げ上げ魔力を灯す…


「やらせるかっ!」


全力で一撃目の突きを放ち、竜人の範囲攻撃をキャンセルさせる。


「んっ?どこかであったか?」

竜人が大剣で突きを防ぐとギョロリと眼を動かし呟く…


「早く行け!」


シャミィ達に急がせるべく声を発すると行動する。


直ぐに魔剣を戻すと再度突き繰り出す…前回の戦闘経験から何度もイメージの中で戦った…突破口はある



ガキン


魔剣の突きを竜人が大剣で防ぐ。

大剣の振りはモーションが大きく付け入る隙はそこにある。


「鬱陶しい…」


竜人が埒が明かないと突きを回避し大剣を横薙ぎに振るってくる、シアが屈んでやり過ごすと魔剣を切り上げる。


「取った…」


腹から胸にかけて切り上げる、竜人が身を引いて回避するが深く裂かれる…


「ぐっ!」


更に切り上げた魔剣を直ぐ戻し、しつこく突きを放つ。


竜人が振り抜いた大剣を手首をひねり向きを変えて突きを防ぐ。



ガキン



回避が間に合わない竜人が大剣で防ぐ。


「うぉぉ…砕け…散れ!」

シアの魔剣の先から魔力が迸ると、魔剣の柄を強く握りしめそのまま大剣に全てをぶつける。




ピシッピシピシッ…



大剣が発光すると罅がはいる…


辺り一面が白い光でホワイトアウトする…


竜人の大剣を突き破るとそのまま、竜人の胸に深々と突き刺す。



大きな暗雲が太陽を隠すように広がると雨が降り始める…


周辺からの戦闘音が聞こえなくなるくらい雷が轟き、降り始めた雨がいっそう強くなっていた…

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