表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒い兎の冒険譚 勇者の存在しない…この世界で…  作者: 黒うさモフル
第四章 決戦
106/117

決戦5

慌ただしい船外にくらべ静寂に包まれた操舵室に緊張が走る……


アンナちゃんに目で合図を送るとアンナちゃんが腰を落として様子を伺う…


船長が乗組員に…警戒を促す…


使命感の中で生きる船長の行動は正しいのだ…船の運命の決定権は彼らに有るのは当然だ…


「船長よ、そこの冒険者の提案を受け入れよ、これは特務命令である」



シャミィさんがアンナちゃんを遮ると船長に命令下す。



「しかし…」



強い視線を向けるシャミィに船長が観念したように首を振るとモルス達に話し掛ける…


「長い事…船に乗ってるが、これが最初で最後だっ!どこに降ろすんだっ!」






         ・


  



甲板に取り付けられた伝声管から船長の指示が伝えられる…


「総員船内に避難せよ2分後に緊急行動に入る」


後部甲板の兵士達の攻撃が一瞬止まる…


「攻撃の手を緩めるな!ギリギリまで押し止めよ!撤退の合図は私が出す!」


ハルが兵士に檄を飛ばすと兵士達が奮起し苛烈な攻撃を再開する…


「シア、お前はもう戻れ、次に備えろ…まだあの子達のお守りが残っている…ここでお別れだ。」



使い捨ての魔法の短杖(ワンド)から魔法を飛ばしながハルがシアに声をかける。



「死ぬなよ…おまえが居なかったら私は泣くからな…大声を上げて泣くからなっ!」



シアが親友に言葉を投げ掛けると振り返り甲板を駆け出してゆく…一度足を止めてしまうが一拍空けてからもう一度駆け出す。





「あの、泣き虫め…」




「そろそろ頃合いだ、全兵員撤退せよ」



さて、こいつをどうにかしないとな…



腰に携えている鞘から魔剣を引き抜くと、ブーツの爪先を甲板に叩き付け、はき具合を確かめる…


「私も騎獣が欲しいと思っていたんだ…」


助走をつけ全身に魔力を巡らせ跳躍すると、竜の腹に一度脚をかけ、再度跳躍し背中に着地する、魔剣にありったけの魔力を纏わし竜の背に突き刺す…


竜が痛みの咆哮を上げると飛空船から離れてゆく…



離れ様に竜が息を大きく吸い込むと、飛空船にブレスを照射し船体の一部を吹き飛ばす…



「ハルさんっ…」


甲板に現れたウルマが叫ぶ…



「ウルマ…お前が選んだことをやり遂げるんだ…」



飛空船が緊急行動に入ると緑の竜との距離がだんだん空いてゆく…



「泣き虫だらけだな…」






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ