第3話 〜チート能力〜
「俺たちの課題は人員の確保だ! でも、なんで俺達のパーティーには誰も入ってくれねぇんだろうな……」
「それは分かりきっている。まずフールの顔面。昔は童顔だったが今は……ぷぷぷ」
「おいそれはなんだよ!? 顔が怖くなってスキンヘッドになったからって……くそーーー! 俺もこんな顔になりたくなかったわ!?」
「そうそう昔は可愛かったのに、フールさえ居なければ、人なんてポンポン入ってくんのに」
「それは違う。82パーセントはスアイフせい。顔面は可愛いが性格に棘がありいつの間にか人は居なくなっていった。入ろうとしてきたのはド変態の男性だけ」
「は、はぁ!? 私が悪いって言いたいの!?」
「確かにスアイフの当たりはキツイよな〜」
「うんうん、スアイフはツンツンだからね」
「うぬぬぬぬぬ! そんなにいうなら一旗あげればいいんでしょ! こうなれば意地よ意地! このホワイトベアを倒しに行きましょう!」
「確かに一旗あげようとは言ったけど……」
「なに? ビビってるの? 棍棒しか使えない男が?」
「はぁ!? 棍棒強いし! 棍棒最強だし! 」
「それなら行きましょう!? 早くデデルも行くわよ!」
「あははは。99パーセント災難が起きるな」
時は巻戻り、今に至る。
「おいおいおい!? なんでホワイトベアってやつは足が早いんだよ!?」
「知らないわよ! それよりその棍棒を投げて時間稼ぎしなさいよ!?」
「無理に決まってるだろ!? この棍棒はデデルと俺が2年かけて作った最高傑作の棍棒だぞ!?」
「なんで負け戦にそんなもん持ってきたのよ!?」
「お前が行こうって言ったんだからな!?」
木を避けつつ走る、フールたちに対して、ホワイトベアは木を薙ぎ倒し、あたかも木が空気のように進むため、一向に距離が開かないのだ。このまま王都に帰っても被害を拡大するだけ。
どうにかして撒かないといけないが……
「僕の計算だとこのまま逃げて撒ける確率は25パーセント、戦って勝つ確率15パーセント、戦って死亡する確率60パーセント」
「死亡する確率が半分以上あるんだ! だったら、逃げるしかないだろ!」
【3人の射手】は負ける確率が50パーセント以上あれば絶対に戦わない。今回も無理だと言いつつ勝てる確率が高かったからホワイトベアに戦いを挑んだのだ。
だが、このホワイトベアは通常のホワイトベアより強力は魔物、多く戦闘を経験している強化種だと直ぐに理解し、すぐさま逃げたのだが……
さすが強化種のホワイトベア、そのステータスも伊達ではない。
「あ……ああぁぁぁぁぁ、人間……い……た……!」
3人の目に見えたのは1人の美少女。彼女からは魔力も気迫も感じられず森に迷い込んだ村人、3人はそう確信する。
「おい! そこの嬢ちゃん逃げろ!? 死ぬぞ!?」
3人の逃げ道にいる美少女、ホワイトベアの目標が美少女に変わった瞬間にあの少女は死ぬだろう。
3人は何も言わずに後ろに振り向く。
「貴方、早く逃げなさい! 私達が足止めをするから!」
覚悟を決めた3人は立ち位置を変える。スアイフが後衛、デデルが中衛、フールが前衛。完璧に臨戦態勢へと入る。
だが、少女は逃げずにしゃがんで、小石を手に持つ。
「何してるの!? 早く逃げなさい!?」
少女は投球の姿勢になる。
「風靡く者 力溢れる速さ マッハ5 『石の弾丸』……!」
3人の間を抜けては投げられた石はマッハ10を超え、ホワイトベアの脳天を貫く。
————ドスン!
脳を貫き、心臓を貫き、ホワイトベアは地面に倒れる。
「「「うえ?」」」
「なに……が……起こった?」
「なんで倒れた……?」
3人が驚愕する中、唯一1人だけ少女が何かを投げようとしていたのを見ていたスアイフ。少女に振り向き、驚愕した顔で尋ねる。
「もしかして……貴方がやったの?」
少女は笑顔になりか細い声で答える。
「あああああぁぁぁぁぁ……ご飯を……くだ……さ……い……」
————バタンッッッッッッッッッ!
「おい大丈夫か嬢ちゃん!?」




