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第26話 〜追撃〜

「あははは。この神官達を殺さなければ、私たちの負けは確定だね」


 ギルドマスター、ベルクル・リーリン。


 彼はミルには劣るが……とても速い。


 その速さはとっても暗殺向き、そして————


「おらああああああ!」


「ぶふぇぇぇぇぇぇ! びゃあおぇぇぇぇぇぇ!」


「ぶひゃあひゃあひゃあ! ふぃふぁーーーーーーーー!」


「ぶるりりりんんんん! シュプーーーーーーーーー!」



 転生国家、関脇クラスの転生者とこの世界の戦士、10人がメリル、デデル、二ークス、フールの主戦部隊に攻撃をする。


「ぐっ!?」


 転生国家は、何らかの情報によってエラスラン王国の戦える人数は少ないと確認していた。


 そうなれば、関脇クラスが10人ほどいたら間に合う。


 そう、思っていただろう。


「ぶひゃあひゃあひゃあ!」


「ぐはっっっっっっっっっ!?」


 それは正解だ。フール達は関脇クラスには本来の力では勝てない。現に、関脇最弱枠の3人に殺られそうだ。


 だが、本来の力ならばだ。


「二ークス!」


「分かってるよ」


 フールが吹き飛ばされ、次に出るのは二ークス。


 二ークスの前にはこの世界の戦士、転生者に無理やり改造させられ、狂戦士となった、トール、チール、ヌール。


 この3人は圧倒的な脂肪に見合わない、筋肉と俊敏さ。


 その重量級のパンチは軽く、岩石を砕く。


 しかも、この狂戦士3人は、コンビネーションを高く、実に相手をするのが難しい。


 その3人が一斉に二ークスに向かってパンチをするのだ。


 その速いパンチは避けられはしな————


「エラスラン流 剣技 『反転剣力』!」


 ————ブチャアッッッッッッッッッッッッッッ!


 3人の腕が弾け飛び、体も破裂する。


「やっぱり、僕ちんって天才すぎ〜!」


 二ークス。


 彼は、『気』も『魔力』もこの世に生を受けてから何も持っていなかった。


 ただただ、気や魔力を何も持って生まれてこなかったら。


 職業は《王》。民を纏め、民を導くスキルなどを貰える。


 ただ、それだけだ。そう、この職業は戦闘向きではない。


 だからこそ、戦闘スキルやステータスは何も持っていない。


 しかし、彼には才能という物に満ち溢れていた。


 全てのことを平均を直ぐに上回ることが出来る。


 だが、それまでだ。スキルがない、ステータスも平均以下。彼には他の者を抜かす才能はない。


 だからこそ————


 この10年間、死の物狂いで剣技の練習をしてきた。


 才能を多様に持っている彼だからこそ、1つの事を極めたらどうなるのか?


 気を持っていなければ、戦士には負けてしまう。


 ———否———


 魔力を持っていなければ、状況を打破は出来ない。


 ———否———


 スキルを持っていなければ、勝てはしない。


 ———否———


 彼は————


 強者だ。


「ぶひひひひ! 狂戦士を3体、殺すか!」


 3人の狂戦士を殺した、二ークスの前には関脇の上位クラス、【最固の脂肪】テルデス・カルミンが、二ークスの前に立ちはだかる。


「でも、僕ちんの脂肪は他の物より遥に固くて、跳ね返す! 君の攻撃など、僕ちんには効かないんよ!」


 二ークスは剣を構え、沈黙のまま———


「エラスラン流 剣技 『反転剣力 改』」


 二ークスはテルデスのお腹へと、突きを放つ。


 その突きは正に洗練という文字が見合う。


 しかし、これは反転 対 反転。


 攻撃を反転し合う、脂肪と、剣技。


 どちらが勝つのか?


 そんなのは簡単だ。


 何も努力せず生まれた物と、努力して生まれたもの。


 そこに才能という文字が掛け算になれば———


 努力が勝つのだ。


「ぬおおおおおおおおおおっっっっっっっっっ!?」


 ————ブチャアッッッッッッッッッッッッッッ!


 テルデスは爆散する。


 二ークスは4人の関脇を殺し、剣を鞘に入れる。


 その光景を見た、関脇6人は焦りを覚え、殺す優先順位を変える。


 あの国王を殺せと。


 この強者の二ークスならば、この6人相手でもいい戦いになるだろう。


 しかも、忘れてはならない。まだフール、メリル、デデルが居るのだ。


 これは勝ち確。


 そう勝敗はもう決まった。


「あーーー、もう僕ちん……無理……!」


 ————バタンッッッッッッッッッッッッッッ!


 二ークスは皆の期待を全部背負って倒れる。


 ステータスが低い二ークスとってあの剣技とあの動きは、凄まじく体力を消耗する。


 そう、才能は体力には勝てない。


「今だ! 殺れぇ!」


 この有能な欠陥品に、6人の転生者達は魔法を放つ。


 フール達は邪魔しまいと二ークスから距離を取っていたせいで、二ークスの救助には間に合わない。


 メリルは人形を操ることしか出来ない。


 フールは棍棒しか使えない。


 デデルは———


 錬金術が使える。


「中級錬金術『鉄の壁(アイアンウォール)』」


 ————バァンッッッッッッッッッッッッッッ!


 大爆発。


 流石、転生者達だ。その魔法の威力は伊達ではない。


 あの魔法にはデデルの防壁は壊れてしまうだろう———


「あ?」


 確かに防壁は壊れていた。


 だが、二ークスは無傷。


 転生者は意味が分からない。


 理由を知っているのはフール達だけ。


「計算通り」


 デデルは魔力を温存しないといけない。


 より錬金術の質を強固にすればもちろん魔力は消費する。


 圧倒的な諸刃の剣だが、その分、こちら側は有利になる。


 しかし、1度防げても後はどうだろうか?


 メリルとフール、デデルに勝機はあるのか?


「ここは私が———」


「いや、ここは俺に任せとけ」


 フールが転生者達に向かって、走り出す。


「固有スキル『追撃』、スキル『棍棒の追撃』、ユニークスキル『追撃する達人』、フール流 棍棒術 『空撃』!」


 フール、デデル、スアイフ。


 彼らには国の秘匿情報はもちろん、自分たちの最大の切り札を隠している。


 それはもちろん、強力が故に、国家レベルの秘匿情報になっていたのだ。


「うおおおおりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 フール、彼には魔力というものがなかった。


 そのせいか、彼は【追撃】に恵まれていた。


 彼は追撃系スキル、約100個ほどもっている。


 何かをすれば、ユニークスキルで追撃のスキルを得られる日々。


 そして、ある日気づいてしまった。


 ある、追撃を組み合わせると、その威力と追撃は————


 計り知れない事に。








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