第1話 〜始まり〜
親を殺し、親友を殺し、殺人鬼を殺した。僕、大和美留はいつの間にか不思議な空間にいた。
暗いのに明るい不思議な空間。
「やっほー、連続殺人犯。大和実留君」
それより今声をかけられた、目の前にいる日本人の容姿とはかけ離れた人は誰だろう?
オッドアイで金髪の長髪、男の声なのに女の子みたいな容姿……美しいのにかっこいい。
「あははは、僕は中性だしね! その気になればどちらでもなれる、正に神という名に相応しい……でしょ?」
神……この人は神なんだ。そんなことは信じられないけど信じるしかない、だって僕は警察官に連行されてパトカーの中にいたんだ。
だからここは疑似体験空間とかVRとかそんなんじゃない。
だけどこの人は……指を鳴らせば何か出してくれそうな魔法を使いそうな人だ。
「そうだな〜何を出そうかな? そうだ、お茶がなかったね。今、出してあげるよ」
————パチン!
瞬間、目の前に白いテーブル、白いティーセットが出てきた。まるでここは貴族のお茶会みたいななんかメルヘンチックなセットに心を奪われてしまう。
「わ……凄い」
「やっと喋ってくれたね」
優しい声色で喋る、神様に少し心が和らいでしまう僕がいる。
「うん……だって凄いもの見たから」
「でしょ? はい、どうぞ。飲んでくれたまえ」
勧められた紅茶に僕は手を出しお茶飲む。お茶を飲むと鼻を抜ける豊潤な茶葉の香りと、程よいお湯の温度。
「うん……おいしい。茶菓子が欲しいな」
「あははは、僕にそんなお願いが出来るなんて尊敬に値するよ。まぁ、別にいいんだけどね」
神様はまた指をパチン! と鳴らす。そうすると色とりどりのクッキーが出できた。まるで高級デパートに売ってる缶に入ってるようなクッキー。
その魅力溢れるクッキーに私の舌は抗えなく———
「うん……おいしい」
僕はクッキーに手を出し、食べる。程よい甘さに紅茶がマッチする。完璧な組み合わせとこの落ち着いた空間にすっかりハマってしまっている。
だけど。そろそろ時間だ。
「神様は僕をどうしたいの?」
そう。もし……というか本当にそうっぽいけど、目の前にいる人が神だとしたら、ここに呼ぶ理由が分からない。
もしかしたら今、日本で流行りの異世界転生? 転移? とかよく分からないものをやられるのかも……そうなったらゆっくりと余生を過ごしたいな。
人を殺さず、人を傷つけず、人を救いたい。
「あははは、君には人を殺して人を救ってもらいたい。そうだな〜、あっちの世界でいえば強制依頼を依頼したい」
強制依頼……本当に異世界みたいな事を言うんだなこの神様は。
そして、人を殺して……人を救う……嫌な響き、だけど、それが現実だと思う。
人の死なく、人は生きられない。
それが、この世の道理。
「君には異世界に行ってもらうよ、混沌渦巻く世界に」
混沌渦まく世界……
「こわい……な……」
思い出したのは家族を殺したこと。混沌渦くということは人を殺しすのではなかろうか。人なんてもう殺したくはない、人を殺したって何も生まれない。
「人を殺すか、殺さないかは君次第だよ」
そんなこと言われたら僕は人を殺してしまうだろう。それが僕だ。
「あと、君には圧倒的なチート能力を授けたいと思うんだけど、何がいい? 君が言った能力をそのまま実現させてあげてもいいし。そうだな……最大5つぐらいってとこ?」
チート能力って凄い能力が貰えるってことだよね……。だったら僕が憧れていたヒーローの能力がいいな……。
そのヒーローは速くて強くてとっても速い。とにかく速いヒーロー。
「じゃあ……速いのがいいです……」
「あー速さ、重視ね。それが1つと、他には?」
「全て……速さがいいです」
「す、全て速さか……あははは。これは予想外だったね」
神様が驚いた顔をしている。神様も驚くことがあるんだ。でも。そうだよね。なんでもいいのに速いのがいいってちょっとよく分からないもんね。
「だったら僕が君の理想の速さを授けてあげるよ」
「ありがとう……ごさ……います」
「じゃあ君に任務について話させてもらうね。この指輪をある人に付けて欲しい」
「ある……ひと?」
「君の最高の味方で、異世界最強で異世界最弱の【最弱勇者】アイラ・ミーラに」
◇◇◇◇◇
「じゃあ、任務の詳細はこれぐらいかな。君の頭の中に異世界の常識と任務の内容をインプットさせてもらうね」
「……質問してもいいですか?」
「なんだい?」
「……期限……とかあるんですか?」
「あーそれは君に選んで欲しい。君の目で見て、君の肌で感じて、その結果獲られた答えが異世界の答えだね」
「……分かりました」
————パチン
神様が指を鳴らすと真っ白な豪華なドアが現れる。
「あのドアに入れば異世界に行けるよ」
僕は紅茶をもう一口飲み、椅子から立ち上がる。コツコツと靴の音を響きかせながらドアを開ける。
ドアを開けるとそこは、真っ白な空間になっていた。その真っ白な色は白色なのに綺麗で惹き込まれそうな色だった。
「……ありがとう……ございました」
神様に僕は一礼をする。こんな馬鹿で最低な人間にチャンスをくれたのだ。感謝しなければ……いいや、感謝しても足りないぐらい。
「あ、そうだ! 実留君。君は”女の子”なんだから、そんな喋り方やっぱり良くないよ。君は女の子らしく……いままで通りで喋った方が可愛いと思うけどな」
やっぱり神様は全て見てるんだと思った。この喋り方にしたのに気づいていたんだ。
そうだよ、あんな小さい世界じゃなくて大きい世界に行くのだから。この鎖が取らないと。
私は新しい人生を進むんだ。なら、これを捨てて全て自分の答えを———
「……分かりました。じゃあ、私の喋り方を変えるのは神様の恩返しってことでいい?」
「うん、恩返しでいいし、君はその喋り方が一番君に似合ってるよ」
神様は私の本当の喋り方と顔つきに笑顔になり、わたしも笑顔になる。
「うん、ありがと! じゃあ行ってきます!」
「うん、行ってらっしゃい」
私はドアに入る。
「うーーーーーん!」
神は実瑠が居なくなった場所を見て、微笑みをこぼし、紅茶を1口飲む。
「また君の英雄譚を見られるよ。アイラ……いいや、一才くん」
あの〜余談なんですけど、ここから当分は3ヶ月前ほどに書いたものでして……ちょっと文章が弱いです。
まぁ、今の自分の実力と変わらんやろ!
あはははははは!




