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前へ 前へ
命よ 前へ出よ
光り輝け
アラームと息をする音とが四六時中
聞こえる中で
105の春の
最後の旅を続けている
ベッドの傍でモニターを見つめる
二十四時間
消化管からの出血が続き
ドレーンチューブの中を
赤黒く変色した液体が流れて行く
心不全から脱しても
肺炎は容赦なく進行する
医師の処方する薬剤と
看護師の技術で乗り切ろうとし
それに応える 体
熱が少しずつ下がって来る
SPO2が60まで下がりだす
部屋に看護師が次々入ってきて対処する
命の最後の輝き
自らの命を五十年後にここまで輝かせられるのだろうか
一歩前へ
輝け命
アラームの音すら生きてる証と気付く朝
105年と二週間で燃え尽きた。
最後の数日は途切れそうで途切れない。
か細いろうそくの光のような
それでいて濃い酸素の元で
より一層輝き出すような
そんな命を感じました。
病院の廊下で綴った言葉だから
思いの蘇り方が半端なくて。