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小山家の人々  作者: 小山淳志
10/12

兄のミタ ニア八◯五◯

シリーズ佳境に入りました。

生きてる人の方が辛いです。

兄のミタ ニア八〇五〇


母さんがこう言うから

父さんがこうしてたから

変わらぬままに時だけが過ぎてゆく


母は八〇を超え 弟も五〇を超えた

母屋で暮らす二人は

好きな時に起き 好きな時に寝る


まだそんな時間じゃないからと風呂を後回しにして

子どもの頃のように

二人はボクシング中継を見て声を漏らす


アメリカの大統領が大相撲を見に来てるわよ

こんなのはそうそう見られないから

降りて来てちゃんと見なさい


今日も晩御飯は母の手抜き手作り

期限切れの餃子やサバ 味付き肉が

フライパンで共に焼かれ一皿に盛られる


食事時になると降りて来て

糖尿病の母に 楽しみにしてるからと

アイスクリームを勧める


洗い物は私が と言われ

流しへと運び それで良しとする

油まみれの洗い桶の中に漂う皿


三角コーナーから立ちのぼる臭い

コバエがたかり ゴキブリが這い出す

対策にスプレーとコバエキャッチャー


そのまま朝を迎えて 一人起き出してくる弟

冷蔵庫の中を探り レタスを千切り

トマトを切ってハムを添える


ご飯を皿に盛り 割り箸で食べる

同じメニューをもう一皿 母の分も作り置く

糖尿病の薬を添えて


出かけた玄関先には

母に送ったカーネーションの鉢が

水も貰えぬまま 朽ち果てていた

これからどうなるのか

自分自身予想がつきません。

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