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サンタクロースパイ  作者: COLK
36/64

36.ついに語られる、〝窓際族〟の名前の秘密

そこで霧河は、前から気になっていた事を

店長のおじさんに聞いた。



「ところで店長さん、なぜ、この喫茶店に

〝窓際族〟なんて名前をつけたんですか?

本来なら、〝窓際族〟って、あまり良い意味で

使われる言葉じゃないのに」

「・・・・・・」

「あ~!すいません!!」

「良いよ良いよ。そういう事はもう、昔っから、言われ慣れてっから」

「そうですか(汗)」



「それはだな・・・」



そして店長は、自らの過去を語り始めた・・・



1976年4月1日(木)。この日、

天野星高等学校(そらのほしこうとうがっこう)」の入学式だった。そこには、「窓河実爪(まどかわみつめ)」という名前の生徒が

いた。



そう、「窓河実爪(まどかわみつめ)」というのは、店長の本名だ。その日、体育館での式が終わって教室に移動し、教室内を

見渡せば、皆、もう既に誰かしら友達が

出来ていて盛り上がっていて、窓河には、

出来ていなかった。



「やっぱりか。俺には、友達なんて、いつも無縁だ・・・何でこうも、どこ行っても誰とも仲良くなれねぇんだよ・・・今日はせっかく晴れて、桜もこんなに綺麗に咲いてるってぇのによ・・・」



窓河は、とても個性的で、かつ、とても頑固なため、小学校でも

中学校でも、いつも、周囲からは、「変なヤツ」、「絡みづらい」、

「仲良くなりたくない」などと言われ、

あまり良い印象を持たれていなかった。



そして、苗字が「窓河(まどかわ)」であり、

席替えの時でも、たまたま窓際のところに

座る事になる事が多かったため、

「窓際族の窓河」などという蔑称をつけられて呼ばれていた・・・



「チェッ、全然爽やかじゃねぇし、クソつまんねぇ入学式だぜ」



それから月日は経ち・・・



1979年3月1日(木)。



高校も、

全く友達が出来ないまま卒業式を迎え・・・



その卒業式も、全く楽しくなかった。



「結局、なんもねぇまま終わっちまったな~。ホント、

クソつまんねぇ青春時代だったぜ。

いや、全く青春なんてなかったよ・・・

こんな面白くも何ともなかった高校は、

卒業して寂しくも何ともねぇ。むしろ、

せいせいしてざまぁって感じだ」

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