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サンタクロースパイ  作者: COLK
34/64

34.高校の頃に作った曲

久しぶりに、ギターで何か一曲弾いてみる事にした。



「もう遅いから、アコースティックギターは音が大き過ぎるから

ダメだけど、お隣さん家とは意外とちょっと距離あるし、

今ぐらいの時間、エレキギターをアンプに繋げずに

生音で弾くなら良いか」



そう、時間は22時。ここは田舎で人が少なく、

一番近くのお隣さんとは10メートルほどの

距離がある。ちなみに、昔、霧河と霧河の両親が

一緒に住んでいて、両親が死んで、長らく経ってから戻ってきて、現在は一人で暮らしている家である。



エレキギターは、就職してから自分のお金で買ったモノだ。



「あ~!よし、あの曲を歌おう」



それは、

霧河が映画などから言葉の美学を追求して、

作曲の勉強をして、高校生になった頃のある日、

両親に今までの感謝の気持ちを込めて作った哀悼の曲だった。



「ごめんな、父さん母さん。せっかくくれた

あのギターを使えなくて。でも俺、一生懸命心を込めて歌うよ。

聴いててくれよ」

霧河は、エレキギターを弾きながら歌う。



曲名は、「いつか僕の心は…」



「あの日からずっと絶望していた 心に穴が開いてしまった 

大きな大きな穴 考えれば苦しい 忘れようとすれば寂しい 

どうすれば良いの?でも思った ねぇ いつかきっと変わって

みせるよ 強くなってみせるよ

あなたは大切な僕の一部だから♪?」

コレがその曲だ。本当は2番や3番もあるが、

あんまり長くなるのも良くないので、とりあえず、

ここまでにしておく。

「フ~ッ。この曲、久しぶりに歌ったな~。てか、長くギター

弾いてなかったせいで、かなり下手になってるよ。

父さん、母さん、こんな演奏で申し訳ない。頑張ったけど」



そうやって一人で思いにふけった。

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