表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サンタクロースパイ  作者: COLK
32/64

32.実は夢だった

霧河は泣いた。



そして・・・・・・



〝ガバッ〟



ここは、談話室のソファーだ。



(うっ。何だ夢か~)



夢から覚め、とても寂しい気持ちになった。だがそこで、

「父さん、母さん、ありがとう」と夢の中とはいえ、

自分の成長ぶりを誉めてくれた両親にお礼を言った。



そこで、この前、霧河とサンタクロースの話をした女性社員が

お茶を持って歩いてきた。



「あ!霧河君!!気がついた!?」

「うん」

「良かった~!!霧河君、寝ながら泣いてたから、私、とっても

心配しちゃったわよ!!」

「え?僕、泣いてたの!?」

「うん」

「そうか~」

「あのね、霧河君、クリスマスは、ハメを外してパ~ッ!と

遊びたくなる気持ちも分かるけど、自分の身体や睡眠も大事に」してよね!!」

「う、うん。分かったよ」



(夢の中で母さんが言ってた事は、本当にその通りだった。

俺は、あの時からずっと孤独だと思ってたけど、ただの思い込み

だった!!俺はもう、とっくに一人なんかじゃなく

なってたんだ!!!さっきの同僚もちゃんと声かけてくれたし、

この娘も、そして、

クリスマスの日、ドジを踏んで姿を見られちゃった子供達も皆、

喜んでくれてた!!)



そこで思わず、また泣いてしまった。



「ん?霧河君、どうしたの!?また泣いてるじゃない!?」

霧河は涙を拭き、

「いや、何でもないよ。目にゴミが入っちゃっただけ(笑)。

ありがとうね」と言った。

「全然全然。良いわよ。どうって事ないわよ。じゃ、私、そろそろ仕事に戻るから!!霧河君も、そのお茶飲んだら、

仕事に戻ってね。もし、今日、もう仕事をする余裕がないなら、

帰っても良いし」と言って、彼女はその場を去ろうとする。



だが、霧河はもう一度、彼女を呼んだ。



「あ、あのさ、もう一つ、お礼を言いたいんだけど・・・」

「何?」

「僕なんかの事、この部屋まで運んでくれて、心配までしてくれてありがとうね!!!」

「え?何言ってんの?仕事の仲間を心配するのは当たり前でしょ?それと、自分の事、〝なんか〟なんて言うの良くないわよ?」

「でも、嬉しかったんだ!!」

「そう?じゃあ!!」

「あの娘、本当に良い娘だな!!!さっき心配してくれたヤツらもそうだけど」



その後、霧河は、しっかり仕事を頑張った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ