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サンタクロースパイ  作者: COLK
26/64

26.サンタクロースの色

「う、う~ん・・・」



音を立てたせいで女の子が起きてしまった。



「あっ!いっけね!!」



慌てて壁にぶつかった霧河は、誤って蛍光灯のスイッチを

押してしまった。



「ワ~ッ!!」と女の子が叫ぶ。



そこでまた

霧河が女の子の口を霧河自身の手で抑え、

「シ~ッ!!」と言う。



もう、本日3度目だ。



(毎度、子供が叫ぶ度にこれだから、ホント焦るな~)



「ねぇお兄さん、一体誰なの?」

「俺は〝サンタクロースパイ〟さ!!」

「へ~」



今回は、いつも言われる言葉がない。



「ねぇ、ひょっとして君、〝スパイ〟って

言葉を聞いた事がある?」

「知らな~い」



霧河はここでまたズッコケた。



「知らねぇのか~!!」と思わず大声を出してしまった。

今度は女の子が「シ~ッ!!」と言う。



「あ~!悪りぃ!!悪りぃ!!」

で、会話をした。



「お兄ちゃん、サンタさんなんだね!!

サンタさんって、若い人もいるんだ!!!」

「ま、まぁね!!」

「でも、サンタさんって、赤い服を着てるんじゃなかったっけ?」

「あ~、まぁ、本来ならそうだね。でも、まぁ、〝サンタクロースは赤い服を着なきゃいけない〟って決まりはないからね」

「そっか~」

「うん。そうだよ。でも、黒いサンタクロースも悪くないでしょ?!」

「まぁね!!カッコ良いと思うよ!!!」

「ありがとう!!!」



霧河は嬉しそうに笑いながら言った。

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