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 小屋からリウイとともに飛び出したアンダンは、すぐに村の男たちを呼び集めた。


「村長、いままでどちらに・・・!」


「そんなことはどうでもいい。いま、どうなってる?」


 どうした、でも何があった、でもなく、どうなってる?

 この村の惨状は、そう聞くに値するほどひどいものだとリウイも思った。

 はじめは抜け道の出口の小屋だけが燃えているのだとリウイは思っていた。けれど、燃えさかる小屋のそばにある教会の屋根に昇って村を見回して、村全体が、ある一点を中心に消し飛んでるに近いということが判った。

 村の男は概ね消し飛んだ中心の方を指さしながら言う。


「大型のバグが村に出て・・・魔術師様たちが退治に向かってます」


 アンダンに状況を報告する男の口から、魔術師という言葉を聞いて、リウイは地上にひらりと舞い戻った。


「スカイはどっちにいるノ!?」


 リウイの、というよりは獣人の特徴とされるケモノのミミに長い尻尾。それをみた村の男たちが怯む。


「化け物・・・」


 あきらかにおびえの色を含んだその視線、その言葉。

 もう、この国の・・・というかこの世界全体で獣人はほとんど絶滅してしまったのだという。だからリウイはいつだって帽子でミミを隠すように言われていた。そしてそれを守ることが、スカイの王宮魔術師という立場に傷を付けないためだとリウイは思っていた。


「・・・スカイは、ドコにいるノ?」


 けれど、面と向かって言われて初めて、それがリウイを心ない言葉から守るためのものだったと判った。


「魔術師様たちは、あの炎の獅子をくい止めに・・・」


 村人が指さした方向に、さらに炎の柱が立ったのを見て、リウイは矢も盾もたまらず駆け出した。そして改めて自分にはスカイしか味方がいないのだと悟った。


「村の者たちを広場に集めろ!井戸もあるし広ければ、火の手は回らない・・・ライラは・・・ライラはどこに行った?」


 アンダンが狼狽し、村人に指示を出すのを横目に、そういえばライラ以外の村人の名を知らないな、なんて思う。

 リウイは咆哮する炎の獅子を目指すみちのりで、変わり果ててしまった村を目の当たりにした。

 一つとしてマトモに建っている建物はない。みんな燃えてしまった。かろうじて原型をとどめている教会だって、黒く焦げて半分傾げている。

 これでマトモな方なのだから、ほかの家はもう瓦礫の山に近いものだった。ことさら、炎の獅子が立っているアンダンの家があった場所は焼け野原だったし、そこから距離があるはずのライラの家も他の家より念入りに焼き払われているように感じた。


(マダ、死んでるヒトはいないみたいだケド・・・時間の問題だヨネ)


 瓦礫の上に黒い髪の女性がいる。それが仲間だと気付いてーー仲間のユエインがにらみつけている獅子の首に驚きーースカイとアッシュを取り囲む、100体以上のバグを見て戦慄した。

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