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(抜け道ッテ、このコトだったんダ・・・・・・。)
アンダンの後を追って、聖域と村をつなぐ通路を駆けながらリウイは、背筋に寒いモノを覚えていた。
壁にはつなぎ目の一つもなく、床の材質は少なくともリュイは見たこともなく、突然世界に穴をあけたみたいに出来たのであろう、何の飾りもない通路が村までまっすぐ続いている。
(聖域に行きやすくシテって、願ったノカナ・・・アノ像に)
みんなの願いが叶うように、いつでも叶えることが出来るようにだろうか?と考えかけて、そんなことはあり得ないと胸中で否定する。もしもそれが目的なら、村の皆が森への抜け道について知っているはずなのに、誰一人知らなかったからだ。
(ソレにアイツは、自分の願いがカナウためだったら、ほかの願いナンカ踏みつぶしてヤルって言ってた。そんなヤツが・・・)
先ほどアンダンが「他人の願いなんて握りつぶしてやる」と叫んだ声が耳にこびりついている。
あの時、アンダンの瞳は何も信用しないと言い切るように暗く輝いていた。
前を歩くアンダンの足音が止まる。リウイもそれに習って止まった。
「本当にーーライラがもういいと言ったのか。」
その声はリウイに問いかけているというよりも、自分に問いただしているようで、リウイは答えるべきか迷った。
「・・・言ったヨ、ボクに。ウイルナ様の森を消してしまってほしいの、ッテ。」
アンダンが黙りこくったせいで、通路自体が一段暗くなったように思えた。リウイは、沈黙をかき消すように言葉を紡ぐ。
「ボクがスカイを探してるときだったヨ。」
もうそれ以上聞きたくないと言うかのように、アンダンは大きなため息をついた。そして一瞬後に、金属がきしむ音がして、通路とは違う色の光が目に飛び込んでくる。
夕日にしてはやけに赤いそれを、リウイは理解できなかった。アンダンも同じくだろう。同時にはっと息をのんでーー迫る熱気ですぐに気付く。通路の出口がーー物置が燃えているのだと。これは炎なのだと。
アンダンが、地下から飛び出て物置を飛び出すのを追ってリウイも外に出た。
「どういうことだ!」
「そんなの、ボクが聞きたいヨ!」
燃えさかる村を見回してアンダンが大声をあげる。半ば投げやりに言い返しながらリウイは半透明の羽根をふるわせて空に駆け上がった。
とにかく、スカイの居場所を突き止めなくてはいけない。




