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15 走るように飛ぶように

 

 ーリウイは夢中で岩を上る。草をかき分ける。目指すのはもちろん、ウイルナの森、聖域だ。

 ライラから鍵はもらったが、肝心のスカイがどこに閉じ込められているかが、一向にわからなかったのだ。

 だから、アンダンが向かったであろうウイルナの森に先に着いて、アンダンの願いを止めるつもりだった。


 ウイルナの聖域までの道は険しい。意図的にそうなっている上に、災害とやらで道は荒れ果て、草が生い茂っている。まあ、舗装されて「聖域こちら」という立て看板があるはずもない。


(そんな観光地のような聖域は要らないヨネ)


 思いながら、リウイはできるだけ迅速に、森を駆け抜けた。

 ウイルナの森に、アンダンが向かって、「スカイを消せ」と願うなら、森にたどり着く前にアンダンを止めてしまえばいい。どんな手段を使っても。

 例え、誰かを悲しませることになったとしても、世界中を敵に回しても。


「ねぇ、ボクの友達たち、おねがい、森の場所を教えて。ウイルナ様の森の、真ん中を教えて。」


 リウイの声に森の精霊たちが反応する。渦を巻くように、光が一転を指し示す。それが一筋の道筋になって、リウイに森の場所を教えてくれていた。


『カワイソウナボクラノトモダチ』


『カラダニシバラレタトモダチ』


『テンシサマノツカイデショウ』


『コッチコッチ』


 リウイは透明な羽をふるわせて空を駆ける。先導する精霊たちに導かれて、遮蔽物のない空を行く。

 人間は空を飛べない。直線の移動距離なら、リウイはスカイよりも速く目的地にたどり着ける。

 空を飛べる移動力。それがリウイの持つ、スカイたちにたったひとつ負けない特技でもあった。


『ヌケミチノ出口ハコッチダヨ』


 森の真ん中に、真っ白な神殿があった。何もかもが真っ白で汚れ一つない神殿だ。

 ライラのおばあちゃんの時代に災いがあったっていうのに、煤けてすらいない、純白の神殿。


 リウイにはそれがとてもいびつに見えた。寒気が止まらなかったが、その神殿に飛び込む。


 リウイは走る。駆け続ける。スカイを助けるために。


「ねがうマエに、口でもなんデモ塞いでヤル!」


 アンダンはもう、聖域への扉に手をかけ、小口径ながら銃を持って、その神殿のすぐそばまで迫っているとも知らずに。

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