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備前宰相の猫・二巻  作者: 山田忍
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温泉にて

 夜、私は一人で温泉に浸かる事にした。

「ふう……」

 本日は若様が猫と淫乱な女を連れて来て、忍術の修行をしたな。

「それにしても……。

『くやしい‼』

『弱いな。大きくなったら、忍之者より儂の側室になったらどうや?』

 あの男に言われ、泣いていると、あの方が来て、

『忍之者よ。忍之者が泣くな。次に勝てば良いだけだ』

『……!』

 はあ……!」

 昔の話を思い出すとはな……。

「ん?」

 足元に泡が浮いている? これは……?

「ばあ‼」

「い、淫乱女⁉」

 目の前には、全裸の淫乱女が立っているではないか‼

「あなた、さとりちゃん?」

「そ、そうだ」

「へえ。素顔、こんなに可愛いんだ。それで爆乳だし」

「か、可愛いとは、ふざけるな‼」

「ところで、一人で温泉に入っていたの?」

「それは私の勝手だ‼ それより、な、何の用だ⁉ 淫乱女⁉」

「何の用って? さとりちゃんと楽しもうと思っただけよ」

「楽しもうって‼ お主、女だろ‼ 何故、私と楽しまないと——」

「女? これを見て」

 淫乱女が見せたのは、女には無い男にある物だ!

「ボクは男でもあり、女でもあるのさ。だから、さとりちゃん……」

 淫乱女は嬉しそうな目で見つめているが、

「それより、何故、湯帷子または褌を着ないのだ‼ 男も女も着る物だぞ‼」

「猫ちゃんの国では裸が作法なのさ。だから、裸でもいいのよ」

「そ、そういう問題ではない‼」

 淫乱女は獲物を狩るような目をして、

「さとりちゃん‼ ボク無しでいられないカラダにしてあげる‼」

「やめろおおおおおおおおおお‼」

 淫乱女が湯帷子を脱がそうとしてくるので、殴って抵抗をするが、全く効かない。

「ど、どこを……あ……」

 大変な事になりそうな時、

「何だ?」

「何かあったのか?」

「ふにゃ!」

 ……わ、若様達だ! だが、

「み、見るなあああああああああああ‼」

「「「⁉」」」

 若様や猫に温泉をかけてしまった。

「な、何だよ……。悲鳴が聞こえたから来たのに……」

「わ、悪い……」

 若様は濡れた事を意に介さず、淫乱女の方を見た。

「如月、悪ふざけよりも、客人が来ている」

「客人?」

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