~まだ始まったばかり~
続きです。
今、俺が見ているのはアニメやゲームでしか見たことのない景色だった。
そして自分が立っているところは草原で日は昇っている。
「ここは異世界なのか?」凄すぎるので思わず口に出てしまった。
「そうだよ」
俺の疑問に答えた声の主を見ると、驚きを隠せなかった。
そこには透き通る白い髪に宝石みたいに綺麗な青い瞳を持つ美少女がいた。この世のものとは思えないほどの美貌で少なくとも古先東馬のいた世界では絶対にいない人だと一目で分かる。
「すみません あなた誰ですか?」現状を理解するためにも今は目の前にいるのが誰だか知る必要がある。
「私の名前はフミウ・スバーよ」と言って俺の名前を聞いてきた。
「俺の名前を古先東馬です」しかし彼女はそれを聞いて、顔を驚かせた。
「あなた、フルサキ・トウマなの!?」その迫力にYesと答えた。何故驚くのか分からなかった。
東馬はフウミ・スバーに尋ねた。
「フウミ・スバーさんは何故、俺の名前に驚いたんですか?」
「私のことは気安くフウミでいいよ。けどみんなからはフーミと呼ばれているわ」
「では、フウミ何故俺の名前に驚いていたんですか?」もう一度尋ねた。
「ごめんなさい。あなたの身元が分からないのでその事に関しては何も言えないわ。けど最近見かけない顔を見たから…」
そうかだから俺が「ここは異世界なのか?」と言った時に答えてくれたのか。ここは相手の気持ちを尊重し、素直に違う質問をすることにした。
「ここはどこですか?」まずは一番気になる事を質問した。
「この世界で一番栄えている『マリューブ』を知らないなんて、そういえば変わった髪型・服装をしているわね。もしかして遠い方からはやって来た?」聞いた事のない単語が出て来た。おそらく『マリューブ』は国名前だと思った。
「まあ、そんなとこです。」
曖昧な返事をした。
「そう」と答え、フウミはポケットから結晶らしきものを取り出し。それを覗いた。すると
「大変!もうこんな時間だったの!」急いで結晶をポケットにしまい、俺に言った。
「ごめん もう時間がないんだ。私はそろそろ行くよ」すると俺を尋ねた。
「すみません。あと一つ聞いてもいいですか?」これからのことを考えて必ず聞かなくてはならないものがある。
「良いよ。それぐらいなら」
俺は聞いた。
「近くに町や村はないですか?」そう、これからことを考えてこれだけは知っておきたかった。ゲームでは基本中の基本の情報収集だ。
自分に今必要なことが2つある。まず一つ目は情報を集めた上での生活だ。今まで住んでいた世界とは確実に違う。当然ルールや常識があるはずだ。今までのルールを基準にすると他世界の者だと分かってしまう。まして相手は俺の想像を超える技術や能力があるかもしれない。
むやみやたらに発言するのは、気をつけた方がいい。
そして二つ目は今晩の宿だ。
フウミの発言からこの世界にも時間の概念は存在するようだ。だから当然夜もあるはずだ。夜は危険、獣や変質者がいる可能性が高い。
そしてフウミの答えは
「あるよ。私は今から行くけどトウマも一緒に行く?」俺はガッツポーズをした。
「はい!行きます」
父さん、母さん、蓮香
俺頑張ってみるよ。この世界で
次回から本格的にダンジョンが登場します。