勝負の行方
-----ちゅんちゅん、ちゅんちゅん
窓から朝日が差し込み小鳥のさえずりが聞こえてきた。
「よし、やってやるか。」
いつもは目覚めの悪い拓海であったが今日だけは違った。
ここから新たなステージえの第一歩だ、まずはあの道林とかいうランカーを倒さなきゃな。
しかしいくら態度が悪くてもランカーであることに変わりはない、技術は相当なものだろう、
、、
拓海は身支度をし気持ちを整え店内で敵を待ち構える。
いつにもなく集中しているーー、、、後ろで重松が嬉しそうに笑った。
すると店内にいてもわかるほどの大きな足音が近づいてくる。
ドカッドカッ、カランカラン
お店の扉が勢いよく開かれ道林が入ってきた。
「よお!店をたたむ覚悟はできたか?」
道林はニヤつきながら聞いてきた。
「粋がれるのも今のうちだ、さっさと始めようぜ。」
拓海は自信に満ちた表情で言った。
ここで重松が間に口をはさんだ。
「おほん、バチバチなところ悪いがまず紹介しておかなければならない人がいる、入ってきてくれ。」
すると店の奥のドアが開きスーツ姿で手には分厚い書類を持った人が入ってきた。
「今回の審査員を務めさせてもらう天海だ、いかなる理由があろうともジャッジは公平に行う、よろしく。」
天海となのる男が軽く自己紹介をした。
「と、いうことじゃ。文句はないな?」
重松は有無を言わせないようなオーラを発した。
拓海は仕方なさそうに言った。
「わかった、わかった、ちゃんと審査してくれるなら問題ねーよ。」
拓海はふと道林を見た。するととてつもなく驚いた表情をしている。
なんだこいつ?不思議そうに思っていると道林が口を開いた。
「あ、天海だと!?コーヒー協会幹部のあの天海か??」
「ええ、そうですが何か?」
「本物かよ、、なんでお前みたいなやつがこんなとこに、、」
??拓海は会話についていけなかった。
「なあ、じいちゃん、あの人何者なの?」
「やっぱりか、天海のことも知らんかったか。
あいつは天海コーポレーションの社長の孫の一人、いわずとしれたサラブレッドで今はコーヒー協会の幹部を任されておる。
厳しすぎる審査が有名でたとえランカーといえど容赦なく審査され閉店においこまれた店は数え切れない。
やつの審査は絶対じゃ。」
「私のことはそのへんでいいでしょう、早く始めましょう。」
天海がやれやれといった風に言ってきた。
「そうじゃの、それでは、始め!」
重松の開始の合図と同時に二人ともコーヒーを淹れだした。
-----------飲み終えた天海が発した。
「勝者は----------------」