表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コーヒーの王様  作者: 國枝明日香
2/6

世界の広さ

俺は突然のランカーの登場に驚きを隠せない。


「ってかなんでそんな人とじいちゃんが知り合いなんだよ!?」


「まあ、昔の縁でちょっとな。そんなことより今日来てもらったのは2人に勝負してもらおうと思ってな。」


は??訳も分からないまま話はすすんでいく。


「はぁ、、、やっぱりそんなことですか。」


実はわかっていたような口ぶりだ。


「拓海には世界の広さを知ってもらおうと思ってな。負けた時にはおとなしく研修に行ってもらうぞ。ルールは簡単、この店のものは何を使っても構わん。ただコーヒーを入れてくれ。」


「おいおい、勝手に話を進めんなよ。」


俺には何が何だかわからなかった。


「わかった、じゃあこうしよう。お前が勝てばこの店をやろう。」


重松は自信満々に拓海に言った。


「しょ、しょーがねーなー。そこまで言うなら勝負くらいやってやらんでもない。」


「わかりやすい奴め。」と重松は笑った。


「ただコーヒーを淹れればいいんだな?」


俺はじいちゃんに確認した。


「まったく、今回だけですよ、、、。」


実はしぶしぶながら協力してくれるみたいだ。


「では、初めてくれ。」


実はさっそくだるそうにヤカンに水を入れお湯を沸かし始める。


研修なんて行ってたまるか!そんな時間あるならお客さんにコーヒー入れてるほうが面白いわ!それにこの店をもらえるなんて願ったりかなったりだ。

ランカーだろうがだれだろうが自慢の一杯で黙らせてやるぜ!


俺は店にある豆をいくつか手に取りブレンドした。


豆を惹きペーパーフィルターを使ってハンドドリップしていく。


10分後ーー


「よし、2人ともできたようじゃな。わしが審査員だとアレなんでな、今回はお互いのコーヒーを飲んでもらおう。」


「それどうやって勝ち負け決めんだよ。」


俺の言葉にじいちゃんが返してきた。


「まぁ飲めばわかる。」


ったく、、、、コーヒーランカーだかなんだか知らないがただのドリップコーヒーでそんな味が変わるわけないだろ。


俺は実が淹れたコーヒーを手に取る。


この色は、、、あまり見たことがないな。


こんな豆うちの店にあったか?一体何をブレンドした?


一見同じ色に見えるコーヒーでも慣れた人からしたら全然違って見える。


俺は手始めに香りを嗅いだ。


!!??


なんだこの香りは!?


香りが俺の体をまるめこむ。


まだ飲んですらないのに全身がコーヒーにつつまれたようだ。


俺は少し冷や汗をかいた。


いったん落ち着いてから一口飲んでみる。


ズズズっ。


とてつもない衝撃が口いっぱいに広がった。


なんだよこの味は、今までには飲んだことない風味だ。


この店のコーヒーだけでこんな味がだせるのか?


俺には無理だ、、、、俺は一口だけで実力の差を知った。


この後さらに世界の実力を知らされるとは思ってもいなかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ