表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/111

妃乃里と買い物26 ― 汗まみれのおっぱいは輝いて見える

「おい、ちょっと待てよぉ! 俺は何もやってねぇよぉ! こいつのおっぱいに何一つ触れてねぇよ!」



 いや触れてんじゃん。あんたの顔の皮膚、めちゃくちゃ触れてたじゃん!

 あんだけ人の姉の胸汚しておいてよくそんなセリフが言えるな、おい。



「こんな状況を晒しといてよくそんなことが言えるな! その真っ赤で汗まみれの顔はなんだ! 興奮していた証拠だろう!」



 警備員が興奮とかいうのか……。



「いや、興奮してたのはしてたけどよぉ、そういう興奮はしてねぇってぇ! 力んでただけだってぇ。こいつの握力半端ねぇってぇ!!!」



 どうやらなんとしてでもという思いで妃乃里のおっぱいに顔が当たることは避けようとしてあれだけの汗をかいていたようだ。

 でも妃乃里の胸に挟まれることが目的じゃなかったっけ? さすがにあの大声を聞いたらいても立ってもいられなかったか。妃乃里の手の力にもびっくりしたのだろう。どこで鍛えられたのかわからないけど、妃乃里の握力は半端じゃないからな。看護師の仕事でついたのだろうか。


 警備員二人は床でもがき蠢く金髪の正面に立って凄味を増した顔で見下ろしながら言った。

 

 ちなみに今も汗は小川のように、そして滝のように流れ続けている。

 縁もゆかりも完全な赤の他人であり傍観者、いやカーテンの隙間も隙間、その間一センチ前後の間隙からその様子を覗いている者だが、その溢れ出る汗の量を見て、水分を提供してあげたくなってくる。脱水症状になったら大変だから。



「事務室まで来てもらおうか」



 警察だけでなく、警備の応援も要請したようで、また数人の警備員が来た。

 合計六人で金髪を取り囲んでの連行となった。連れの赤い髪の男は、いつの間にかいなくなっていた。友達を見捨てるとは薄情なやつめ。


 妃乃里は胸元を両腕で抱え込むようにしながら被害者感MAXな表情でその様子を見ていた。

 妃乃里は行かなくていいのだろうか。

 でもさっき汗が小川の警備員が妃乃里のそばで何か話していたから、あとで警備室に寄ってくれとかそんな話をしていたのかもしれない。


 周辺には野次馬ができていたが、それもだんだんとはけていった。


 連行されている金髪の姿もあるところで曲がってしまい見えなくなり、あたりは一瞬にして元通りのデパートの光景に戻った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ