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辻橋女子高等学校@生徒会室⑦ ― 純朴純粋無垢を感じさせる幼くかわいい女の子二人

「わぁ、ここ高等部の生徒会室? 初めて入るぅ~」

「そう? 美依びいはこの間こなかったかしら」

「ん、そういえばえいちゃんについてきたかも。でも来てないかも。わかんないや~、えへへ」

 ドアが開くと同時に聞き覚えのない声が二つ、部屋の中に響き渡る。

 入ってきたのは、背丈は同じ、顔もそっくりな少女二人だった。

 これが噂の理事長の双子の娘か。この広大な敷地をもつ学園の主の娘だ。 双子ということもあり顔は似てるし、かなりかわいらしい。うちの姉妹にはない系統の顔つきだ。純粋にかわいい、単純にかわいい。幼さの象徴とも言える丸顔がそのかわいらしさを増幅させているような気がする。お饅頭みたい。

  ただ……なんていうか……それはドレス? お姫様? みたいな服を着てらっしゃいますけれども。

 今着ているということはそれはもしかして制服? 制服なの? 確かにここに来るまでの間でも同じような服を着た生徒らしき少女を何人か見かけた。ということは制服なのだろう。

 上半身は四つボタンで制服感がまだ保持されているが、それより下はロングスカートで、これから舞踏会にでもでるんか?と問いかけたくなるくらいのドレスのスカート部分、パニエが少し膨らみを帯びながら末広がりに空間領域を拡大させている。えんじ色を基調としており、そこに白や茶、黒などで繊細な花柄の刺繍やレースのフリルが装飾されている感じがまたゴージャス感を高めている。

 足元は足元でまた学生らしからぬ様相で、履いている靴が、そのドレスチックな制服に合わせたヒールなのだ。


 これはもうお兄さんびっくり仰天ですけど。……あぁ、今は容姿は女の子ですけど。女の子というか、もろ妃乃里ですけど。 まぁなんせ、学生がヒールを内履きとして履くなんていうのは聞いたことがないからな。驚愕というか……まぁお嬢様学校と言われているだけあるということか。

 通常、お嬢様学校という言葉が示すことは、その存在自体がお嬢様といえるような上流階級の生まれの子たちが集う学校のイメージがあるが、この学校ももちろんそういう部分もあるのだろうが、主目的がお嬢様としての品格を養う、いわばお嬢様形成の場としていることがまた独特である。

「よく来てくれた」

「来ざるを得ないわ。高等部の会長命令なんだもの」


 あたりまえでしょと体で表現するかのごとくため息をつきながら肩をすくめ、二人のうちショートカットの子の方が言った。


「すごーい。お菓子がいっぱいで山積みだー(カシャカシャ)。食べてもいいかなー、えへへ」


 部屋の端のテーブルの上に山積みに置いてあるお菓子にご執心なのはもう一人のロングヘア―の子。少しウェーブがかかっていて上品な面持ちで少し大人びた雰囲気もあるが、その脳天気そうな話し方とデジタルカメラでパシャパシャと撮影している姿は無邪気な少女そのものである。カメラが好きなのだろうか。


「……前よりはいささか部屋を綺麗にしたようね。相変わらず茶菓子は豊富なようだけれど」

 ショートカットの子がどこかの検査官、あるいは窓辺あたりをさっと触ってホコリを確かめる姑のように、鋭い目つきで部屋を見渡す。

「この間はたまたまあのようだったが、いつもはこんな感じだ。そこに積んであるのは生徒から没収したものだ。慈善団体に寄付も検討している」

「そうなの。'たまたま`あの時はお菓子の袋をところ狭しと床に敷き詰めていたということかしら。そんなときに'たまたま`遭遇できるなんて私もかなりの強運の持ち主だわね」

「それはいいものを持って生まれたな。うらやましいかぎりだ」

 ……何これ。 何なのこの雰囲気。 何いきなりバチバチしてんのこれ! 過去に何があったんだよ。

 まあ、検討はつくけど。あの部屋の荒れ狂いさを見たら誰だって思うところあるわな。なぜならこの20畳くらいありそうなこの部屋がさっきまさにおっしゃるとおりの状態だったからだよ。そしてそれをダイ〇ン顔負けの吸引力ならぬ隠蔽力でこの優雅さを作り上げたのはこの俺様です!!! 机を壁に添わせて配置してその机上からテーブルクロスを垂らして下を見えなくしておいてそこに無造作に突っ込んだよ。散らかってるものをさ。あそこに指一本でも触れようものなら雪崩が起きるのは想像に固くない。触らなくても雪崩れてくる可能性大だ。 俺と沙紀はとんでもない運ゲーのど真ん中に立っているのである。 

 しかし……。

 この二人が、純朴純粋無垢を感じさせる幼くかわいい女の子二人に、これから教育していくというわけか。

 性の……教育を……。


「そんなことよりこの方はどなたかしら。私の記憶にない方ね」

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