40話
( ・´ω・`)とりあえず戦争開始でございます
破綻と終は王国の城の一番高い場所に立って、魔族と王国との戦いを眺めていた。
魔族は紫色の肌と頭に角を生やした鬼のような種族だった。
「さてさて、この戦いでどこまで勇者様は強くなるかな?」
「そうですね、せめてケルビムといい勝負が出来るぐらいには強くなって欲しいですね」
「そうだねぇ、それぐらいの強さは欲しいね」
2人はそんな話をしながら、魔族が勇者に細切れにされるのを眺めていた。
伊藤奈央は少し張り切っていた、今まで騎士達に混ざって訓練したり、王国の外で魔物を狩ったりと、強さを求めがんばった、その成果を魔族という確実な敵に対して振るうことが出来ると言う事に。
「私は皆を守る!」
伊藤は聖剣を2本持ち魔族を切り捨てながらどんどんと奥に進む、その速さは他のクラスメイトや騎士達とは一線を画していた。
そしてクラスメイトたちも、魔王を倒せば元の世界へ戻れるとあって士気はかなり高いようで順調に進んでいた。
「クラスメイトの方々もがんばってますねぇ」
「そうですね、がんばって足掻いてますね」
「何だか不穏な空気が漂ってますね」
破綻と終がクラスメイトのほうを見ると他の魔族とは違う感じの男の魔族が立っていた、その魔族は翼が生えていた。
その魔族は黒い球体を作り出しクラスメイト達に投げつける、その球体は3つに増えて地面に着弾すると爆発しクラスメイト達は吹き飛ばされる。
そして誰も立てないほどのダメージを受けてしまったようだった。
「ふぅ、不甲斐無いですね」
「まぁ、こんなものでしょう、ここで彼らが死んでしまうのは面白くないですね、仕方ないちょっと行って来ます」
「兄さんいってらっしゃい」
破綻は亀裂の中へと消える。
クラスメイト達は絶望していた、順調に魔族を倒していた、だが翼を生やした1人の魔族に一瞬にして壊滅させられたのだった。
「フム、人間どもが呼び出した異世界人か、弱い弱すぎるぞ」
魔族がそう言って再び黒い球体を作り出しクラスメイトたちに投げつけようとしていると、目の前に亀裂が走り1人の少年が現れた。
「この人たちはまだ、やる事があるのですよ、なので殺すのはやめて頂けませんかね?」
「それは聞けないな、我らは魔族、人間どもを駆逐しこの地を魔王様に献上するのだ!」
魔族は黒い球体を投げる、投げられた球体は何かによって2つに裂かれ、消えてしまった、そして破綻の姿も消えてしまっていた。
「なんだ?逃げたのか、口ほどにも・・・・ガヒュッ!ガハッ!」
魔族は見えない何かに背中から突き刺されていた。
「くっそぉ!何がどうなっている!」
そういった魔族の首が飛ぶ、まるで見えない刃で切られたように、いきなり首が飛んだのだった、そして破綻は魔剣インビジブルの能力を解除し姿を現す、そしてクラスメイトに広範囲の回復魔術を施し亀裂の中へと消えて行ったのだった。
( ・´ω・`)クラスメイトは気絶しております。インビジブルの能力はまぁそのままですよねぇ。




