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異世界ハーレム飛行~アマゾネスの星ってアリですか?~  作者: 印朱 凜
第6章 ハーレムな冒険
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アンティオペ

 地球の資料映像を見ながら姉妹は、同世代の女子の服装に興味を示した。


「うわぁ……このデザインと色、超可愛い! 見て見て、地球人の着こなしも参考になるわ」


「今すぐにでも、この店に買いに行きて~!」


 マリオットちゃんは、そう言って足をばたつかせた。次のシーンには……。


「すごい! 何なの? この総督府より高いビルの数。それに、とんでもない車の量と人ごみは!」


 シュレムも若干興奮気味。コメントが止まらない。


「いやいや……地球の大自然も見ごたえばっちり。すごいなぁ、ジャングルっていうの? こんな美しい風景なんてケプラー22bではあまり見かけないわ」


「本を読んで知っているけど、姉さんとピラミッドがある国へ行ってみたいな……それに古い教会や歴史のある街並みも見てみたい~」


 マリオットちゃんは更にフカヒレスープや北京ダックが写った中華料理の映像に釘付けとなった。


「どれもおいしそう~! 食べてみて~!」


 おいおい、はしたなく、よだれが出てますよ……。


「どの国もB級奴隷の男とすごく仲がいいの? 地球の女性はそれが普通なのかしら?」



 突如、映像が乱れると、何の脈絡もなく妙齢の女性が裸でセクシーポーズする映像に切り替わった。しかも全裸の上に毛皮のコートを羽織った熟女とからむ……といったマニアックさだ!

 思春期のマリオットちゃんには教育上よくないシーンなのは明白だった。

 傍で観ていたスケさんがあわてて再生を中止する。一同唖然。僕冷や汗。

 マリオットちゃんが首を傾げる。


「何でベッドで素っ裸の映像になっちゃったの? これも地球人には普通の事なのかな?」


「……奴のコレクション映像が、なぜか紛れこんでいるんだ」


 僕は天井で呑気に居眠りしてるカクさんを狙って、バットで正確に壁ドンした。




 オーミモリヤマ市の二重のバリケードを出ると、人類のテリトリーを大幅に超えてしまうと思っていい。ビワ湖周辺には人の力が及ばない世界が無限に広がっている。

 この惑星を今でも支配しているのは、食物連鎖の頂点に君臨する巨大甲殻類なのである。装甲殻類とでも言えそうなバケモノが闊歩する危険極まりない世界で、開拓移民は、よくぞ今まで耐えてこられたものだ。

 市の周りには特殊鉄条網や特製テトラポットが、ぐるりと何重にもガードし、ビワ湖に相対して何だか要塞を思わせる造りとなっている。

 コンクリート製、スライド構造の第二ゲートをくぐると、ようやく外界に達することができるのだ。

 今までに吊り橋や第一ゲートを通過してきたが、徐々に人が少なくなり、荒れ果てた風景に変貌していくのが分かる。まずは、ほったらかしになっているスペースシャトル・ベンチャースター号の様子を確認しに行こう。


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