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異世界ハーレム飛行~アマゾネスの星ってアリですか?~  作者: 印朱 凜
第1章 査察団の到着
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イリス

 カクさんはふわふわと遊泳中、後ろ脚を小刻みに震わせて、耳の辺りを掻きながら言った。


「どーしたオカダ君、怖い顔をして? さてはシャワー付きトイレの設定温度を100℃にしたまま使用して、大切な肛門をヤケドしたな?」


「犯人はお前だったのか……」


「俺も大便をした後、油断したのかな? 間違ってビデのボタンを押しちまって、妙な部分を洗浄してしまったよ」


「動物の分際で人間様のトイレを使うな」


 急に元気をなくしてしまった僕を気遣ったのか、スケさんは正面モニターに画像を映した。


「オカダ君、安心して下さい。衛星軌道上からの高解像カメラ映像によると……オーミモリヤマ市は健在で、開拓移民の皆さんは、たくましく毎日を暮らしている模様です」

 

 スケさんから転送され、解析されたライブ映像の中の一つには、地味な格好をした開拓移民と思われる人々が首都の広場に、ちらほらと映し出された。


「お~……『誰もいない世界で一生、独りぼっち』だけは避けられたということか!」


「私は以前から人類のしぶとさを評価していたけどネ! それにしてもオカダ君、独りぼっちなんて、いやねぇ……私達がいるじゃない」

 

 ジャガーのスケさんは、自分ではカワイイと思っているキメ顔……牙の間から舌を出してウインクした。

 子猫ならまだしも、猛獣の緩んだ顔には全く癒されない――とは彼女に黙っておこう。


「グラマーなお姉さんは映ってないかな?」


「カクさんは熟女好き? 見えているのは腰の曲がったお婆さんみたいよ」


「俺のストライクゾーンはサッカーゴール並みに広いぜ!」


「少しは狙いを絞ったらどうなんだよ……」


 僕は呆れ気味にカクさんにつっこんだ。無論その位で彼の輝く瞳は、少しも色あせない。


「そんな事ばかり言ってるからモテないんだぜ、オカダ君。好き嫌いしちゃあダメだ!」


「お前の『何でも来い!』の包容力はすごいな。以前、ゴリラと付き合っていたという噂は本当なのか……尊敬するよ」


「いや、ゴリラじゃなくて彼女はゲリラだった。……言うまでもなく下痢しているゴリラじゃあないぜ! さすがにテロリストとは付き合いきれないので、すぐに別れたよ」


 僕には、どう考えても無理だった……。

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