表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ハーレム飛行~アマゾネスの星ってアリですか?~  作者: 印朱 凜
第5章 デュアン総督
66/580

アンジェリーナ

 市長室のドアは今にも破られそうだ。丸太状の重量物で外部から突かれて、ありえない形まで歪んでいる。


「スタリオンが到着するまで、何とか時間を稼ごう」


 僕は戦闘員の身ぐるみを剥がしてロープで縛った。二名の武器を奪ったが、ナイフや警棒、スタンガンなどとロクなものを持っていないな。それから髪を乱して震えるミューラー市長に向かって念のため訊いた。


「市長、あなたの権限で、兵を引かせる事はできませんか?」


「無理よ……これはデュアン総督の指令で動いている軍隊に違いないわ」


「そうですか、分かりました」


 腰が抜けたミューラー市長をクローゼットの中に避難させた。どう考えても目標は我々査察団であり、市長やシュレムは巻き添えを食った感じだろう。


「シュレム、君もどこかに隠れていた方がいい」


 そう言いながら僕はスーツを脱いでズボンを下ろした。シュレムが悲鳴を上げる。


「こんな時に裸になって何を考えてるのよ!」


「戦闘員の服と装備に着替えた後、ドサクサに紛れて外に逃げるのだ。二着あるから君も着てみるかい?」


 シュレムはしばらく考えた後、白衣の胸元が少し破れている事に気付いた。


「あんた達、ちょっとあっち向いててよ」


 渡された服を手に、彼女は僕とカクさんに命令。仕方なく背を向けたが、非常事態だというのにカクさんが密かに教えてくれたのだ。ミューラー市長が使っている姿見の鏡がそこにある事を。

 シュレムは背中のファスナーを降ろすと、すばやくワンピース状の白衣をするりと脱いだ。

 嗚呼、ケプラー22bの神様ありがとう……鏡越しだがこんな美しい光景を見せてくれて。パーフェクトな大きさと曲線を描く胸、可愛いおへそ。それにメリハリが効いたウエスト周りも文句の付けようがない。下着のセンスを含めてトータルで完璧ではないか!

 ……鏡の中のシュレムと目が合った。


「イヤーッ!」 


 桃色の思考は、飛んできた右ナースシューズが頭部に命中することで雲散霧消してしまった。ちなみに左シューズはカクさんの尻に刺さって転がったのだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ